菊正宗＞川の神(千と千尋の神隠し)［ジブリ酒］

【菊正宗(きくまさむね) 上撰樽酒ネオカップ生酛辛口】

熱燗で豊かまろやか気持ちよく

菊正宗

お久しぶりの菊正宗さんの樽酒。コンビニやスーパーに普通に売ってるメジャーなお酒ですね。飲むのは2年半ぶりです。

実はこないだ、ある方が「熱燗やってみたいけど、やり方がわからない」とおっしゃってたんです。そこで、初心者向けに簡単に燗を付けるやり方と、おすすめのお酒も紹介する企画をやろうと思いつきました。で、買ってきたのがこのお酒。初心者向けなので、どこでも買えるお酒が良いですからね。しかもこの子、美味しいし。

初心者さん向け熱燗のやり方の記事も書いたので、よかったらこちらもどうぞ。

さてこの菊正宗さんの樽酒、大手メーカーの大量生産のお酒ではあるんですが、実はめちゃくちゃこだわって造られています。樽の香りをお酒に移すために、本物の杉樽を使用。樽の素材は、最も相性が良いという吉野杉。樹齢100年ほどの吉野杉の丸太から、最適な部分だけを選んで使っているそうです。とは言え樽なんて、作れる職人さんはどんどん減ってます。そこで技術が廃れないように、ベテラン樽職人を社員として採用。その職人さんが、釘や接着剤を一切使わず、杉と竹のみで樽を作っています。昔ながらの手作り！！大手だからって、効率一辺倒の安いだけの酒造りをしているわけじゃありません。こういう姿勢が好きなんです。

それでは飲んでいきましょう。
燗酒の企画ですが、まずは比較用に常温から。

香りはやさしく樽香と、おだやか米旨アルコール。
杉の木の、落ち着く香りがほわわわーん。この香りが、強すぎず弱すぎず、ちょうど良いですね。アルコール感はちょっとあるけど、お米の旨味がそれをくるんでくれて、嫌な感じはしません。

口に含むとまろやかに、ほのかな甘味がふんわりこ。やさしいですね。
でも口の中でお酒が空気に触れた瞬間、味わいがぽわっと開きます。きれいな酸味とじんわり旨味。14度にしてはアルコール感がありますが、それもふんわり気持ち良い。
後味は、やさしい旨味がほわわんと。
やっぱり美味しいなあ。

それではこれを燗にしていきます。
パッケージには、「お燗をされる場合は(中略)電子レンジ(500W)で1分以内」と書いてあるので、まずは1分加熱してみましょう。
ちなみに今回、パッケージ通り180mlのまま加熱したかったので、このお酒は2本用意しました。温度計を準備して、新品の方を電子レンジにかけます。

1分なんてすぐですね。めっちゃ簡単。
ただ、レンジ燗だと温度のムラができてしまうので、加熱後にちゃんと混ぜます。
温度は、加熱前は常温で23℃だったのが、55℃に上がりました。とびきり燗ですね。でもこれを酒器に移したら、ちょうど50℃熱燗くらいになるでしょう。
お酒を平杯に注いで、いただきます。

おおおお！美味しい！
前に飲んだ時には燗にはしてなかったんです。燗が合うだろうとは思ってましたが、予想以上に美味しい！！
甘味がほわっと現れて、旨味もじわっとふくらんで、お酒全体が豊かにまろやかになっています。
ほわあああ、うまあああ。
樽香はちょっとひかえめになって、苦味は消えてる。後味はやさしい甘さがふわふわ残って、それも幸せ。
もう、家で燗を飲みたいときはこれでいいんじゃない？

アテに合わせたのは、お昼ごはんに作った「ガリバタ醤油のしらたき和風パスタ」。僕のしらたきレシピの中でも特に自信作です。ニンニク醤油とみりんをベースに味を付けて、最後にバターを加えるのがポイント。「しらたきでも美味しい」ではなく「しらたきが美味しい」レシピです。そしてこのちょっと濃いめのガリバタ醤油味によって、お酒の味わいがさらに開いてほわあああ。これは背徳の味。