【信濃錦 和三本 】
旨ほわん おだやかきれいな 熟成酒
はじめましてのお酒、長野県伊那市・宮島酒店さんの信濃錦です。
あ、これよく見たら高級砂糖の和三盆じゃなくて和三本なんですね。
公式サイトを見たら、詳しい説明が載ってました。
『宇宙に漂うガスや鉱物が集まって太陽や月や地球が生まれました。』
そこから!?
『(中略)和三本のラベルにある三つの輪(和)は、宇宙の混沌の中から生まれた太陽と地球と月であり、あるいは天と地と人であり、米と水と技といった「三つの事象の調和」をイメージしています。』
はあ、なるほど。
『(中略)互いに重ならない大きさの異なる三つの円に外側から接する接線を引くと、そこに現れる三つの交点は一直線上に並びます。円の大きさや配置をどのように変えてみても、必ずそうなるのです。
これはまさしく宇宙の神秘ではないでしょうか!』
うん。完全に幾何学の世界に入りました。面白いけど、お酒との関わりはわかりません。
公式サイトの別ページではさらに、この現象の証明を、ベクトル方程式を使って詳しく解説されています。数学嫌いな人が見ただけで逃げ出しそうな、たくさんの数式が並んでる!
説明はさらに、環境変動とか価値観が大きく変わる時代とかSDGsとかグローバル化とかに話が飛んで、最後に
『健やかに育てられた地元産の契約栽培米を大切に用い、三つの輪(和)と一条の線をモチーフとした純米酒「和三本」に込めた、私共の思いをお感じ戴けましたなら幸いです。』
と結ばれます。
いやいや、それはさすがに無理でしょwww
でも、哲学をしっかり持ってお酒を造られていることは伝わりました。
それでは飲んでいきましょう。
色は、錫の酒器でもはっきりわかる黄色。あ、熟成ですねこれ。
ラベルを見たら、2年半熟成されてました。しかも精米歩合は81%の低精白です。
香りはわずかに熟成感。おだやかだけど、熟酸苦を感じます。
口当たりはするり。熟成もほとんど感じず、水のように入ってきます。そこから旨味を中心に味わいほわっと開きます。熟成感はあるけれど、きれいなお酒です。
これは、雪冷え(5℃)で飲むお酒じゃなさそう。手で酒器を包んで温めます。
常温くらいになると、けっこう変わって程良い熟成感が出てきました。ほんのり蜜甘とくっきり苦味。
おそらく、熟成前から辛口っぽいですね。甘味もあるけど少しだけ。81%精米の2年半熟成とは思えない清らかなお酒でした。
ジブリで例えると「思い出のマーニー」の久子さん。屋敷の絵を描いていた老婦人です。年をとってるけど、おだやかで上品な人です。
好き度:★★★☆
久子や十一の「思い出のマーニー」はどんな物語なのだろう?#思い出のマーニー pic.twitter.com/RgnNvwXQnr
— 米林宏昌 (@MaroYonebayashi) 2020年4月3日
【DATA】
蔵元:合資会社 宮島酒店(長野県伊那市)
造り:純米
精米歩合:81%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2021年4月
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