こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

SABA de SHU > 月島靖也さん(耳をすませば)[ジブリ酒]

SABA de SHU(サバ デ シュ)

鯖専用 酸旨やわらか 辛口酒

SABA de SHU

SABA de SHU
SABA de SHU
SABA de SHU

はじめましてのお酒、鯖専用日本酒・SABA de SHU です。あ、3月8日は鯖の日か!ちょっと出すの遅かった!
これ、存在は知ってて、気になっていました。それがたまたま寄ったスーパーに売ってたから、これは買うしかない。

こちらのお酒を造っているのは、吉久保酒造さん。茨城県水戸市のお蔵さんです。メイン銘柄は「一品」。

そもそも、なんで吉久保酒造さんが鯖専用日本酒を造ろうと思ったのか。
きっかけは、2017年に開催された「鯖サミット」です。

鯖サミットは、2014年から毎年開催されていた、日本各地の鯖が味わえる食のイベント。元々は鯖好きな仲間(全日本さば連合会・全さば連)が仲間内だけで行っていたイベントだったのが、全国各地で開催され、最大来場者数45000人までに成長したんだそうです。凄い行動力!!
2014年から2019年まで毎年開催され、2020年と2021年はおそらくコロナのために中止。2022年に復活したものの、2023年は諸事情により開催できませんでした。でも今年2024年は10月26日(土)~27日(日)に福井県三方郡美浜町で開催が決定しています。
おっ!美浜と言えば、ついこないだ飲んでめちゃくちゃ美味しかった早瀬浦の三宅彦右衛門酒造さんがあるところじゃないですか。しかも、鯖などの魚の塩糠漬け・へしこの名産地。ゆるキャラ・へしこちゃんもいます。これは気になる!

で、話しはSABA de SHUに戻ります。2017年に千葉県銚子市で開催された鯖サミットに、「一品」に浸したサバの干物とお酒と一緒に出品したら大好評になったことから、鯖専用のお酒を開発しようと思ったんだそうです。そうして生まれたのがSABA de SHU。鯖の旨味をより引き出すとともに、きれいに切れるよう、酸度とアミノ酸度を高くしたブレンド酒です。〆鯖・焼き鯖・鯖の燻製・鯖味噌煮・サバ缶など、さまざまな鯖と楽しむことができるんだそう。

ちなみに茨城県は鯖の水揚げ高が日本一。お蔵さんのある水戸市は海に面してたっけ?って思ったんですが、ぎりぎり海には面していなかったものの、水戸市の東端から800mで太平洋に注ぐ那珂川の河口でした。大洗港も近いので、魚をよく食べる土地柄なんでしょうね。

さて、それでは飲んでいきましょう。鯖に合わせたいところですが、まずはお酒単体で。

香りはほとんどありません。かすかに酸と旨味の気配。

口に含むと、とろりんと、やさしく淡い口当たり。そこから酸旨じわじわり。
クセのない、酸旨やわらか辛口酒。含み香ふんわり米旨アル。後味ほわんと旨味が残り、それがふわっと消えていく。

甘味はほとんどありません。でも酒質がやわらかく、香りの中にもほんのりと米甘感があります。そのため、辛口ではあるけど、辛口が苦手な人でも飲みやすそう。

これは良いお酒ですね。鯖だけじゃなくて、いろんな食事に合わせやすい、優秀な食中酒です。

鯖
とは言え初日のアテは、バッテラと塩鯖。そりゃ鯖に合わせたくなりますよね。
バッテラは、、、うん、あんまりわかりません。スーパーの10%引き169円のやつだと鯖が薄すぎた。酢飯に普通に合いますけどね。ご飯を先に食べて上の〆鯖だけと合わせてみたら、〆鯖の酸がお酒をやわらかくして、お酒のお米の旨味がふわあ。おお、美味しい!
塩鯖に合わせると、今度はお酒の酸旨がふわあ、こっちも美味しい。ちょっと違う合い方をするのが楽しいですね。

ちびちび飲みつつ、6日目。予想通り、味わいはあんまり変化しませんね。

塩サバのパリパリ焼き
この日に作ったのは、塩サバのパリパリ焼き。ポン酢で下味を付けて片栗粉まぶして焼きます。めっちゃ美味しかった! 生の鯖の骨を取るのは面倒だったけど、その甲斐はありました。そしてSABA de SHUを合わせたら、当然のように優勝。鯖もお酒も、どちらもさらに美味しくなりました。

ジブリde例えると「耳をすませば」の月島靖也さん。主人公・雫のお父さんです。穏やかで優しいお父さん。僕の父親としての理想像のひとりです。仕事もしつつ、自分の趣味として郷土史の研究もしています。だから、雫が夢を追うことを否定しません。
でも単に甘いだけじゃない。父親として、夢を追うことは素晴らしいだけじゃないって公平に伝えます。「でもな、人と違う生き方はそれなりにしんどいぞ」「何が起きても誰のせいにもできないからね」と言う台詞、ほんと好き。娘を信じていて、大事にしているからこそ出てくる言葉ですね。

好き度:★★★★

SABA de SHU

SABA de SHU

【DATA】
蔵元:吉久保酒造株式会社(茨城県水戸市)
造り:ブレンド
アルコール度数:15.3% ・・・ 普通
日本酒度:+4 ・・・ 辛口
製造年月:2023年12月

鯖サミットについては、サバやしさんというサバニストの方のnoteを参考にさせていただきました。めっちゃ面白い記事!

 

そしてここから雑学パート。

みなさん、いま読んでる鯖の字、どう表示されてますか?魚へんに青? それとも魚へんに靑? どっちが正しい?
ちなみに僕の環境だと、PC&iPhone→靑、Android(AQUOS)→青(カレンダーアプリでは靑)です。フォントによって違うっぽい。
これにはややこしい事情があります。靑は青の旧字体。でも今はほとんど使われていません。ただ鯖の字については、魚へんに靑の方だけが、内閣告示の常用漢字表に載っています。つまり、正式には魚へんに靑。

なのに1983年、パソコンやスマホで使われる文字について日本産業規格(JIS)が定めた漢字コードで、鯖は魚へんに青という表記になっちゃったんです。だから、Windows XPなどの古いパソコンや古いフォントでは、青の方で表示されているんです。

その後、2004年の国語審議会答申「表外漢字字体表」で、パソコン略字を排除する方針が決まりました。そのため、新しいフォントでは靑の方の鯖になっています。
こういう事情ですが、手書きでは魚へんに青でも間違いではないとされている場合が多いです。まあ、ひとまずは靑の方を使っておいた方が無難っぽいですね。

ちなみにXでアンケート取ってみた結果はこんな感じでした↓


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