こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

寒北斗 >猫の兵隊さん(猫の恩返し)[ジブリ酒]

寒北斗(かんほくと) にごり酒 shi-bi-en(シビエン)

辛口で めっちゃやわらか にごり酒

寒北斗

寒北斗

はじめましてのお酒、福岡県嘉麻(かま)市・寒北斗酒造の寒北斗さんです。ひとつ前の山城屋さんがアテとの相性良かったから、2杯目もにごりで合わせてみます。
ん? 福岡なのに北斗??? 新潟なのに山城というよりも謎です。
その名前の由来は、筑前の国の一の宮(地域の中で最も社格の高いとされる神社)・北斗宮(ほくとぐう)。地図で見ると、北斗宮は寒北斗酒造さんのすぐ近所。敷地同士だと100mくらいしか離れていません。そりゃその名にあやかりたくなりますね。ちなみに北斗宮は天智天皇9年(671年)に北斗大明神(北斗七星)を祀るため建立された由緒ある古社。慶長5年(1600年)に軍師黒田官兵衛の息子の黒田長政筑前福岡藩主となってからは、一の宮として歴代の藩主から手厚く保護されたんだそうです。

寒北斗酒造さんは、享保14年(1729年)創業。当時は玉の井酒造と言い、玉の井という銘柄を造っていました。ん?なんか最近見た年号だと思ったら、こないだ飲んで美味しかった巖の高井(株)さんと同じ創業年ですね。
転機となったのは昭和60年(1985年)。福岡らしい味を大切にし、お米もできるだけ地元産のものを使うというコンセプトの新銘柄・寒北斗が誕生します。それが人気となり、2008年には全国酒類コンクールで日本一の座に輝くなど、蔵を代表する看板商品に。そして2011年に社名も寒北斗酒造に改称しました。

今回のお酒「shi-bi-en」というのは、古代の天文学で、天の北極を中心とした天球上の区画のこと。ラベルデザインは北極星と北斗七星。あ、よく見たら、北極星の右上に北斗七星がありますね。
今回のお酒は春酒ですが、シビエンには夏・秋・冬もあるようです。

ひとつ前の山城屋さんと、いろいろ共通点のあるお酒。その比較も楽しみつつ、飲んでいきましょう。

色はほんのり透明にごり。山城屋さんとよく似ています。辛口って書いてあるにごりだから、それも同じ。瓶も両方ピンク系。味も似てるのかな?

っと思ってたのは、飲んだ瞬間ふっ飛びました。やわらかっ!!
口当たりは、やわらかほの乳酸。その酸がふわっとふくらみつつ、お米の旨味がほわっと出てきます。最後に控えめお米の甘味。渋味もやわらかじんわりと。含み香、乳酸飲料感。後味もじんわり乳酸です。

アテは引き続き、土手煮とうな肝串。寒北斗さんとも合います。でも、旨含み香が引き出された山城屋さんに対して、こちらはアテによって乳酸感がほわあああっと引き出されました。この対比も面白っ!

山城屋さんと寒北斗さん、どちらも辛口にごりで味わいの方向性もよく似ています。でも、炭酸感が両極端。ガス感強めの山城屋、めっちゃやわらか寒北斗。めちゃくちゃ面白い飲み比べでした。

ジブリで例えると「猫の恩返し」の、猫の兵隊さん。キリッと辛口なんだけど、もふもふやわらかい。

好き度:★★★★

寒北斗

寒北斗

【DATA】
蔵元:寒北斗酒造株式会社(福岡県嘉麻市)
造り:純米にごり酒
原料米:麹米/山田錦、掛米/夢一献
精米歩合:55%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:+7.0 ・・・ 辛口
酸度:1.7 ・・・ 高め
製造年月:2024年3月

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