【花邑 純米吟醸 酒未来】
優しく包んでくれる甘さがたまりません。
強くはないんだけどしっかり芯のある甘味と旨味が口に含んだ瞬間から喉を通るまで続いて、余韻にも残ります。温度が上がってくると甘さがもっと立ってきて、さらに幸せ。でも、ただ甘いだけじゃない。全体が上品に調和していて、とても美しいです。
花邑と言えば、十四代の高木酒造の技術指導を受けて誕生したブランド。そして酒未来は高木酒造が18年の歳月をかけて生み出した酒造好適米です。
十四代の薫陶を受けた蔵が、十四代の生み出したお米で醸したお酒。お店のお姉さんは「このお酒は十四代以上に十四代らしい」とおっしゃってました。でも僕は、甘さを極めるという方向で十四代から少しだけ別の方向に進化しているようにも思います。
もちろんどちらも、今の日本酒の最高峰にいるのは間違いありませんね。
ジブリで例えると「紅の豚」の最初の方で、ポルコがホテルアドリアーノに向かうシーン。ジーナさんの歌う「さくらんぼの実る頃」をバックに、美しい夕焼けの空を飛ぶポルコの飛行艇。一瞬だけのカットですが、とても美しいシーンです。あるべき優しい場所に帰ってきた感じがします。ポスターにもなっていますね。
満足度:★★★★☆