【御代菊 純米吟醸 水酛 山乃かみ酵母】
コク苦が きれいに消える 水酛酒
1年ぶりのお酒・御代菊さん。奈良県橿原市・喜多酒造さんのお酒です。
この銘柄、ちょっとややこしくて、前に飲んだ菊御代さんや御代桜酒造さん(津島屋)とごっちゃになりやすいんですよね。あと、滋賀で喜楽長を醸すのも、別の喜多酒造さんです。
御代菊さん、前回は
今回は、水酛&山乃かみ酵母という、とても奈良らしいのお酒。
水酛は、菩提酛とも言い、約600年前から奈良の菩提山正暦寺で行われていた酒母作りの方法です。コクとクセの強いお酒が多い印象ですが、最近はきれいな水酛/菩提酛がかなり多くなってきた気がします。この子はどんな子でしょう?
山乃かみ酵母は、こないだ参拝した奈良県三輪・大神神社のササユリから採取された奈良県独自の花酵母。喜多酒造さんのある橿原市は大神神社のある櫻井市のお隣なので、まさに地元ですね。
それでは、飲んでいきましょう。
香りは澄んだ米甘旨と、ほんのりツンっとアルコール。アルコール感はあるけれど、きれいな香りですね。
口に含むとやわらか甘味。お米と蜜の甘味です。やっぱりきれいでやわらかい。っと思ったのは束の間だけ。口の中で空気に触れると旨酸が現れ、その旨味とコク苦がどわっとふくらみます。飲みごたえ十分。さすが水酛。
でも後味は、ほの甘残してきれいに引いて、含み香ふんわり蜜アルコール。美味しい!
ジブリで例えると「コクリコ坂から」の徳丸理事長。豪快な笑い方が気持ち良いおっさんです。リベラルで柔軟な考え方をする優秀な社長さん。
徳丸理事長のモデルは、角川書店初代社長で、徳間書店も創設した徳間康快氏。この方、実際に逗子開成学園の理事長もされていました。そして、当時はまだ一般には無名だった宮崎駿監督を見出してスタジオジブリを設立し、初代社長を務めた凄い人!
好き度:★★★★
何度も言うが「コクリコ坂から」で、部室棟の存続を保証した徳丸理事長、学生に「樽に住んだ哲人」と聞かれて「ディオゲネスか」と即答し、教育者たる者は文化を守らなければならないことを明言するなど、深い教養と見識も備えていてその風格ともに尊いんだよなぁ。#金曜ロードショー #コクリコ坂から pic.twitter.com/Fi6fAVAz4k
— 越前きんもくせい (@echizen_no_kami) 2023年7月14日
【DATA】
蔵元:喜多酒造株式会社(奈良県橿原市)
造り:純米吟醸 水酛
原料米:奈良県産 ヒノヒカリ
精米歩合:60%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:-3.5 ・・・ 甘口
酸度:1.4 ・・・ 普通
酵母:山乃かみ酵母
製造年月:2024年4月
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