【綾菊 秘蔵綾菊 大吟醸 長期熟成 1985年】
三十七
はじめましてのお酒、香川県綾菊酒造の綾菊さんです。
って、今回はもう、はじめての銘柄とかどうでもいい! 1985年醸造の37年物。いままで飲んだものの中でも断トツの大古酒です。1985年って、昭和ですよ! 昭和60年! 2つ前の1年もの不動、ひとつ前の14年もの浦霞に続いて、この日は熟成祭り。そのラスボスにふさわしい超ド級のお酒。もはやどんな味わいなのか想像もできません。
ちなみにこのお酒、ラベルに長期熟成って書いてありますが、製造年月(瓶詰?)は7年6月って書いてます。この7年が、1987年か1997年か2007年か2017年か平成7年か? それすらわからないってのも面白いですね。でも、平成7年が1995年でちょうど造ってから10年だから、たぶん平成7年なんじゃないかな? そこからさらに27年も寝てます。
元のお酒は、全国新酒鑑評会の金賞受賞酒だそうですが、まあ鑑評会っぽさは残ってないでしょうね。
なんでこんなのが出てくるのこのお店!? ここってイベリコ豚専門店じゃなかったっけ? 大好き! こんな珍しいお酒、飲まないわけにはいきません。どんな味わいか想像もつきませんが、これこそ一期一会。飲んでいきましょう。
色は、すこし濁った琥珀色。普通に写真を撮ってもわかりにくかったので、ノートを背景にした写真も撮ってみました。
思ったよりは濃くないですね。前に飲んだ華鳩貴醸酒8年の方がずっと濃い。これは、最初から長期熟成を見越した、高精白アル添大吟醸という造りが効いてるんでしょうね。ちょっと濁ってるのが若干不安ではあります。
香りは、素晴らしい熟成香。豊かで優しい甘さと、木質感のある旨さを感じます。劣化はしてなさそう。
口当たりは、これも意外に、するするとろんと、ほの甘さ。そこから味わいがほわんときれいに広がります。甘味も旨味も酸味も苦味もアルコール感もあるけど、やさしい。含み香は旨甘ほの苦きれい。後味も、ほわんと旨味を残してふわっと消えます。
こんなに歳を重ねてるのに上品できれい。うんま!!
スペックは、
造り:大吟醸 古酒
原料米:香川県産 オオセト
精米歩合:35%
アルコール度数:15~16% ・・・ 普通
調べてみたら、オオセトは1979年に生まれたお米。生まれたばかりのお米を使って鑑評会金賞って凄いですね。
ちなみに、一時期全国新酒鑑評会で入賞するための鉄板条件と言われたYK35(Y:山田錦、K:熊本酵母(協会9号)、精米歩合35%)という言葉があります。この言葉が生まれたのは、ちょうどこのお酒が生まれた1985年頃だと、Wikipediaに書いてありました。Wikipedia、こんな項目まであるのか!
ジブリで例えると「魔女の宅急便」の老婦人。ニシンのパイや、キキへのプレゼントのケーキを焼いてくれる人です。やさしくて上品で、きれいな歳のとり方をしてる。
満足度:★★★★☆
【魔女の宅急便】
— yum (@yuuuuuum) 2022年6月1日
「ニシンのパイは嫌いだけどおばあちゃんは好きだからね」#魔女の宅急便#キキ#ニシンのパイ#ジブリ pic.twitter.com/F2akUkNqXJ
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