こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

天美 > アシタカが旅立つシーンの音楽(もののけ姫)[ジブリ酒]

天美(てんび) 純米大吟醸

優しさと 研ぎ澄まされた 美しさ

天美

日本酒イベント「サケサミット2023」でいただいたお酒。サケサミットについては、別途まとめ記事を書きましたので、よかったらそちらもご覧ください。

その最初の1杯は、天美さん。こないだ特集記事も書いた、本当に大好きなお酒です。そして、来られていたのは、杜氏の藤岡美樹さん。ついにお会いすることができて、感激です。藤岡さんにお会いできるからこのイベントに参加を決めたんです。

天美

そして、いただいたお酒は、純米大吟醸精米歩合40%の、天美さんの最高級酒です。

実は、このラベルの純米大吟醸前に飲んだことがあります。結構お高いお酒なんですが、無理して買った思い出のお酒。その時は、生酒でした。その後、生酒は青いラベルに変わって、今はこの白いラベルは火入れです。
一度飲んだとはいえ、めったに飲めない高級酒。心していただきます。

香りは、豊かなお米の旨味と、美しいアルコール感。そしてブドウのフルーティー。あああ、これは良いお酒。

口に含むと、美しい甘酸ふわり。その甘酸がふくらみつつ、旨味、そして苦味もじんわり現れます。甘味はあまり主張せずに引っ込み、酸が残ってきれいに切れる。いかにも上質なお酒。雑味が全くありません。おだやかで優しいのに、研ぎ澄まされた美しさがあります。
はああああ、いきなり素晴らしい。
美味しさが沁みわたります。

ジブリで例えると「もののけ姫」の、アシタカが旅立つシーンの音楽「アシタカせっ記」。その第一主題ですね。雄大に盛り上がる前。早朝の研ぎ澄まされた空気感。味わいはふくらみつつ、おだやかで優しいです。

このシーン、アシタカはタタリによって故郷から実質追放された直後。宮崎監督は「今、アシタカの心の中は、絶望と怒りと悲しみで真っ黒です。そんな彼には最高の朝をあげたいんです」と言って音楽と背景画を依頼したんだそう。作曲の久石譲さんも美術スタッフも、見事にその要求に応えています。

好き度:★★★★☆

天美

天美

【DATA】
蔵元:長州酒造株式会社(山口県下関市)
造り:純米大吟醸 火入れ
原料米:山田錦
精米歩合:40%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
酵母:協会901号
製造年月:2023年4月


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