【瑞冠 こわっぱ 小生意気な生】
たっぷりと お米の風味が 主張して




はじめましての瑞冠さん。広島県三次市・山岡酒造さんのお酒です。
ん?はじめまして? なんとなく記憶があるような。と思って調べてみたら、前に同じお蔵さんの「杜太」を飲んでました。「杜太」は、山岡酒造杜氏の畑中裕次さんの個人ブランド。畑中さんの息子・杜太くんの名前がついた、しかもラベルの文字も発売当時小学2年生だった杜太くんが書いたというお酒です。エモい!
あれ? もしかして杜太くん、そろそろ成人してない? 杜太ブランドが立ち上がったのが2010年で、そのとき小学2年生ということは7~8歳。ってことは今年2023年にはもう成人してるはず!! 畑中さんが息子と「杜太」を飲んたのか、気になります。残念ながらググってもひっかからなかったんですが、ご存知の方がいらっしゃったら教えてください。
さて、今回の瑞冠さんに戻りましょう。
山岡酒造さんは、幻の酒米と呼ばれる亀の尾に並々ならぬこだわりを持ったお蔵さん。30年以上前から自社田と契約農家で亀の尾を栽培されています。
亀の尾で造ったお酒は、新酒時は酸味や渋みを伴う辛口酒なんだそうです。その味わいから、いたずら好きのやんちゃな子供をイメージ。また、お蔵さんの隣の地区が小童(ひち)という地名。そのふたつから「こわっぱ」という名前にしたんだそう。
そして、このお酒はさらに特別。「亀の尾田植え応援団」の22名の名前が裏ラベルに載っています。この方々が植えたお米なんでしょうね。造りも斗瓶取り無濾過生原酒と、特別です。斗瓶取りは、袋吊りや雫取りとも呼ばれ、圧力をかけずに重力だけでぽたぽた落ちたお酒を集める搾りかた。とても手間がかかるけど雑味が無くて美味しいんです。大好き! 斗瓶取りというだけで飲みたくなります。
それでは飲んでいきましょう。
色はほんのり透明白。
上立ち香、麹の香りがぽわああん。お米がめっちゃ主張してます。
口に含むとシュワシュワの、刺激たっぷり炭酸感。噴出し注意のラベルが貼ってあるだけあって、なかなかの強炭酸です。最初はそのシュワシュワにかくれて、米旨酸がほんのりと。でもこのお米感はこんなもんじゃない。そこからぐぐっと寄ってきて、旨味というより米風味。
甘味はわずかなんだけど、お米の風味がめちゃくちゃ主張。ミネラル感があってけっこう固い印象なのに、このお酒に関してはその固さが魅力になっています。
含み香も、たっぷりしっかり米麹。そして後味ほんのりと、苦味を残してスパッと切れる。
良い切れ味ですね。そしてやっぱりお米感。
アテは、ニシンの切り込みにも、春巻きにも、お漬物にも合いました。ああ、これ、ご飯に合うものならなんでも合いそう。ちょっとくらい味の濃いものでも最初の炭酸で切ってからお米感が広がるし、甘くないから食事に合いやすい。
ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」の主人公・パズー。こわっぱだけど芯がある。フレッシュだけど甘くはなくて、親方のゲンコツより固い石頭です。
好き度:★★★★
#育児#独り言
— Cinnamonroll921🇭🇺 (@cinnamonroll921) 2023年9月14日
咳で幼稚園休んでる息子と天空の城ラピュタを観ながら、ふと気付いた。
息子、パズーと似てる…
顔の丸みと瞳孔間隔(ジブリキャラは皆広めだが😅)と髪型、石頭な所もソックリ。
パズーは女子の理想の彼氏、って記事を読んだことがあるけど、ぜひ曲がらず健やかに成長して欲しい🙏 pic.twitter.com/9bIb2RTnEY



【DATA】
蔵元:山岡酒造株式会社(広島県三次市)
造り:純米吟醸 斗瓶取り 無濾過生原酒
原料米:広島県産 亀の尾
精米歩合:55%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:+6・・・ 辛口
酸度:1.6 ・・・ 普通
アミノ酸度:1.4 ・・・ 普通
酵母:広島令和1号
杜氏:畑中裕次
製造年月:2022年12月
関連記事: