昨日の初級編に続いて今日は燗酒中級編です。と言っても、この企画のコンセプトは「超カンタン」なので、難しいことはしません。というかできません。だから気軽にいきましょう。
用意するものは1つだけ!
初級編では特別な用具は何も使いませんでしたが、中級編では1つだけ用意してほしいものがあります。それが料理用の温度計。特に湯煎をする場合、やり方や道具によってあたたまる速度が全然違ってくるので、温度計がないと温度がわかりません。
逆に、温度計ひとつあれば、めちゃくちゃ楽しいです。以下でその楽しむポイントを説明します。
ちなみに僕が使っているのはこちらのドリテックさんのものです。
温度別の呼び方と味わい
初級編で出した人間の味覚と温度の関係のグラフに、温度別の呼び方をプロットしたのが下の図です。
グラフの右の方が47℃までしかないのがちょっと残念ですけどね。呼び方を覚える必要はないんですが、これを見ると、50℃熱燗と40℃ぬる燗で味が全然違うのがひと目でわかりますね。温度がわかると、今飲んでるのがグラフのどの位置にあるのかがわかるんです。楽しそうだと思いません?
湯煎のしかた
温度計さえあれば、これはもう簡単です。鍋にお湯を沸かして、お酒を入れた器を突っ込むだけ
火は、お湯が沸騰したら止めても構いません。止めた方が良いかどうかは、次の項で説明します。
とっくりにする? ちろりにする? それとも///
湯煎でお酒を入れる器は、とっくりか、ちろりが定番です。
ちろりとは、お酒を湯せんするための金属製の容器。酒タンポとも言い、漢字で書くと銚釐。屋台のおでん屋さんにありそうなやつです。行ったことないけど。とっくりは100均でも売ってるから買うのもアリですね。
でも、とっくりもちろりも、別になくても大丈夫。
僕は以前は月桂冠 THE SHOTの空瓶を愛用してました。普通にとっくりの代わりになります。でも最近は、それすら面倒でマグカップをお湯に突っ込んでます。アルコールがよく飛んでくれますし、なにより洗うのが楽チン。ただ、酒器にお酒を注ぐときにはちょっと注意が必要ですね。
で、器によって何が違うのか?
お酒の温まる速さが違います。で、速さが変わると、味も変わるんです。
とあるお燗番さんに教えていただいたんですが、基本的には
速く温めるとすっきり
ゆっくりだとふくよか
になるそうです。
金属製のちろりだと、熱伝達率が高いので速く温まるからすっきりに、
陶器のとっくりやガラス瓶だとゆっくり温まるからふくよかになります。
僕はふくよかな方が好きなので、ガラス瓶やマグカップを使ってるんです。で、温めるときに火を止めるかどうかも、すっきりとふくよかのどちらにしたいのかで選ぶのが正解です。
ちなみに時々、「ちろりは熱伝導率が高いので~」って書いてあるのを見ますが、それは間違いじゃないかなと思っています。
熱伝導率は、物質内部での熱の伝わりやすさのこと。一方の熱伝達率は、別の物質の間での熱の伝わりやすさです。つまり、お湯→器→お酒に熱が伝わる場合は熱伝達率。
鍋のように下側だけから加熱される場合は熱伝導率も大事ですね。鍋全体に熱が伝わって具材を均一に加熱できます。熱伝導率の高い銅の鍋が重宝されるのはそのため。でも、湯煎だとそもそも加熱面積が広いので、熱伝導率はほとんど関係ありません。
割り水燗
まあ、ややこしい話はここまでにして、最後に割り水燗という飲み方を紹介します。
割り水燗とはその名の通り、水で割ったお酒を燗にするやり方です。味が濃かったりアルコール度数が高かったりするお酒を割り水燗にすると、びっくりするくらいやさしく飲みやすくなります。キツいと思ったらやってみる価値はありますよ。
コツは、水を入れ過ぎないことだけですね。味が薄くなりすぎると美味しくないので、少しずつ加水しましょう。水をどれくらい入れるかは場合によるし好みもあるので、自分の好きな配合と温度を探すのが楽しいです。ちょっとずつ調整しながらになるので、レンジ燗よりは湯煎が良いですね。
いかがだったでしょうか? これを見て燗酒やってみたいと思っていただければめちゃくちゃ嬉しいです。
ちなみに上級編はありません。僕も勉強中なので、できません。まあ。勉強と言ってもいろいろ試して遊んでるだけですけどね。というわけで、熱燗企画はここまで。
よかったら、初級編ともども拡散していただけると狂喜乱舞します。
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