こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

千代の松 イタリア > サギ男(君たちはどう生きるか)[ジブリ酒]

千代の松(ちよのまつ) イタリア米使用酒 イタリア】

イタリア米 苦味渋味が ガガガガン

風の森 ALPHA1に続いて「なら泉勇斎」さんの2杯目、冷蔵庫の中にとびきり変なお酒を見つけてしまいました。「イタリア」という名前でイタリア国旗が付いていて、お酒が赤い! イタリア原産のカルナローリーというお米で造ったお酒だそう。なにこれめっちゃ気になる!

カルナローリー米は、イタリア原産のインディカ米。タイ米などと同じ長細いお米ですね。調味料を吸収する能力が高く、リゾットを作るのに適した品種だそうです。

と、その時、登場したのが、なんとこのお酒を造った芳村酒造の社長さん! ちょうど納品に来られたそうです。こんな偶然ある!? しかもこの方がとても良い人で話もめちゃくちゃ面白くて、いろいろお話を伺いながらお酒をいただくことができました。贅沢!!

そもそもこのお米は、知り合いの農家さんの持ち込みだそうです。
米は「主要食糧」として政府が輸入を管理しているため、玄米では持ち込むことができません。そこで、精米されたものを少量だけ輸入したんだそう。それを蒔いてみたら、精米されたお米でもほんの少しだけ芽吹いたんだとか。それを育てたお米だから、イタリア原産だけど国産のお米です。ちなみに長粒米は精米には全然向かないんだそう。そりゃそうでしょうね。だから精米歩合は90%の低精白です。

この赤い色も気になります。
以前ブログの方で「赤いお酒・ピンクのお酒」という特集をしたことがあるんですが、赤やピンクのお酒を造る方法には次の6種類があります。
酵母、②お米、③麹、④副原料・着色剤、⑤製法、⑥熟成

さてこのお酒はどれ?
で、社長に聞いた結果、どれでもありませんでした。まさかの⑦! しかも、「あれはチョンボだ」っておっしゃる。千代の松さんには「阿騎野物語」や「RADEN」という赤米を使ったお酒があります。これは②のやつですね。で、そのお酒を搾ったあとにこのお酒を搾ったら、色素が残っててこの子まで赤くなっちゃった。朱に交わって赤くなるとかwwww 事故やんwwww 

そんな面白いお酒、社長の目の前で味わっていきましょう。

香りはしっかり穀物旨。うん、いかにも低精白ですね。ちょっと熟成感もあるかな?

口に含むと酸とコク苦。そこから苦渋ガガガガン。後味長く、コクずずん。
おおぅ。

お世辞にも飲みやすいお酒とは言えません。でも面白い。この苦渋味、単体で飲み続けるにはキツいけど、うまくアテを合わせたら化けそうな気がします。
濃いめの中華かなあ? アヒージョなんかもいけるかなあ?

芳村社長によると、飲めるレベルにするのはかなり大変だったそうです。通常は20%くらいの麹歩合を50%まで上げて、3年間熟成させてるんだそう。なにそれめちゃくちゃ手間がかかってる!

ジブリで例えると「君たちはどう生きるか」のサギ男。お世辞にもきれいとは言い難いし、クセもえぐ味もかなりあります。でも、物語後半になってくると、どこか愛しくなってくるんですよね。

いやあ、面白いお酒でした。この日は2杯だけで帰ろうと思ってたんですが、せっかく社長にお話しを聞く貴重な機会、もう1杯、千代の松さんの純米大吟醸もいただきます。
(続く)

好き度:★★★

千代の松

千代の松

【DATA】
蔵元:芳村酒造株式会社(奈良県宇陀市)
造り:普通酒 無濾過原酒
原料米:イタリア原産 カルナローリー(国産)
精米歩合:90%
アルコール度数:17% ・・・ 高い
日本酒度:-2 ・・・ ちょい甘
酸度:2.6 ・・・ 高い
アミノ酸度:4.0 ・・・ めっちゃ高い!
酵母:協会7号酵母
製造年月:2023年7月

 

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