【紫宙 純米吟醸 初しぼり 杉玉ラベル】
桃バナナ やさしい甘味が とろじわり
今年の春にはじめて飲んだ紫宙さん。岩手県紫波郡紫波町・紫波酒造店さんのお酒です。紫波酒造店さんは、元々、廣田酒造店という名前でした。それが2022年に、酒蔵再建の専門企業・(株)日本酒キャピタルさんの資本が入り、紫波酒造店に改名されます。
日本酒キャピタルさんは、代表取締役の田中文悟さんが2021年に設立した会社。田中さんは元々はアサヒビールに入社。営業職の傍らでアメフトの強豪チーム・アサヒビールシルバースターの選手として日本一の栄冠を獲得されます。その後、2010年から社内で酒蔵再生の事業会社を設立し、12の酒蔵を再建。そして独立して日本酒キャピタルを設立されます。なにこの経歴! 面白っ!
その後は、秋田の(株)大納川(銘柄名:大納川 天花)、富山の魚津酒造(銘柄名:北洋)を再建。おおお! 両方、最近酒質が上がったという噂を聞く銘柄です。そして3つめの案件が紫波酒造店さん。現在は鹿児島の焼酎蔵・日當山醸造(株)(銘柄名:アサヒ)の再建にも関わられています。
そして、改名のタイミングで立ち上げられた新ブランドが、この「紫宙」です。
その戦略が当たったんでしょうか? どんどん知名度が上がって、良い評判をたくさん聞くようになっています。よく行く酒屋さんにも入ってたので、はじめて買ってみました。ちなみにこのお酒の後に発売されたにごり酒は、人気すぎてあっという間に売り切れて買えませんでした。くやしい。
それではいよいよ。飲んでいきましょう。
冠頭(アルミキャップ)を取ると、現れるのは、握る部分がぶ厚くて、細かい凹凸が付いてる打栓。あ、これ良いですね。開けやすそう。
と思ったら、栓が固くて意外に開けにくかったんですけどね。可能なら改善していただけると助かります。
香りはやさしいフルーティー。バナナと桃と青リンゴ、ほんのりラムネの爽やかさ。
口に含むと、ふわ甘酸。そしてピリッと炭酸感。桃とバナナのやさしい甘味が、とろとろじわっと広がります。一方奥にはじんわりと、苦味と渋味が気持ちよく。甘味が目立ちすぎないように、きれいに切ってくれます。
含み香は、たっぷりバナナとラムネとブドウ。口いっぱいに広がります。
うんまあああ!
これは危険。美味しくて飲みやすいからするする飲んでしまいます。危ないとわかっていつつ、惚れざるをえない。
初日のアテは、白和えと肉焼売。白和えは合うんじゃないかと思って選んだけど、まあ普通。でも肉焼売は良いですね。肉の旨味がお酒の旨味を引き出します。
2日目。家で合わせたのは「サッポロ一番海老そば」。料理研究家リュウジさんの、サッポロ一番塩ラーメンのアレンジレシピです。これ大好きで、何度も作ってるんですよね。海老シューマイの海老旨味がすっごい効いてて味が深くなってます。そして、この海老旨塩味が、お酒にめちゃくちゃ合うううう!
ジブリで例えると「ハウルの動く城」のハウル。色気があって甘いイケメン。女たらしで危険な男。でも惚れちゃいます。
好き度:★★★★☆
【DATA】
蔵元:株式会社 紫波酒造店(岩手県紫波郡紫波町)
造り:純米吟醸 無濾過生原酒
原料米:石川県産 五百万石
精米歩合:55%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:-5 ・・・ 甘口
酸度:1.8 ・・・ 高い
酵母:ジョバンニの調べ
製造年月:2023年11月
五百万石は早生品種なので、シーズン最初に出てくるお酒にはよく使われますね。
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