【SHARI DIAMOND 純米大吟醸】
酸中心 酢酸レモンと 苦渋味
お久しぶりの白木久さん。と言ってもこのお酒、どこにも白木久と書いてないんですよね。
こちらは京都府京丹後市の白杉酒造さんのお酒。
お!?
ひとつ前に飲んだ玉川の木下酒造さんも京丹後市です。玉川さんはたまたまこの日、僕が持ち込んだお酒だから、ほんと凄い偶然。ただ、地図を見てみたら、木下酒造さんから白杉酒造さんまでは山道で、車で30分ほどかかるそうです。
白杉酒造さんは酒造好適米を使わず、食用の飯米で作るという謎のこだわりを持ったお蔵さんです。これまでに、コシヒカリを使った「暁の蝙蝠」やササニシキを使った「銀シャリ」を飲んでいます。白木久というのは白杉酒造さんのブランド名のはずなんですが、暁の蝙蝠にも銀シャリにも白木久って書いてないんですよね。でも3つとも、酒屋さんの紹介では白木久が付いています。また、このお酒の箱には黒地に黒い字で見難く「Shirakiku」って書いてある。だから、ここでも白木久ということにしましょう。
今回の
って、ササニシキで40%!? 普通のお米って高精白に耐えられず割れてしまうイメージあったんですが、そこまで磨けるのか!!凄い!
ササニシキは、かつては作付け面積がコシヒカリに次いで2位だったお米。でも、病気や冷害に弱いため敬遠され、今ではランキング圏外(20位より下)になってしまいました。お寿司屋さんなんかでは好んで使われているようですけどね。ちなみに作付け面積トップは1979年からずっとコシヒカリです。
さて、それでは飲んでいきましょう。
前に飲んだ銀シャリはセメダイン感が凄かったから、こちらがどうなのかも気になります。
香りほわっと酢酸レモン。ん?? 酢酸? 確かにお酢の感じがあって、奥にほんのりレモンの酸。これは珍しい香り。でもこれが全くイヤじゃない。妙なクセが逆に魅力的です。
口に含むとやっぱり酸。完全に酸味中心で、後半に苦渋味がぐぐぐっ。後味も苦じわ。これは苦手なタイプです。なのになんで!? 美味しいよこれ。
もう、意味がわかりません。でも確かに美味しいんですよね。ひとつ言えるとしたら、酸のカドがなくてまろやかなんです。とはいえこんなに酸味中心で美味しいのはかなりレア。
今まで飲んだことがないタイプで、クセもたっぷりですが、良いお酒でした。
ジブリで例えると「ゲド戦記」のテルー。ヒロインとしてはありえないことにツンツン酸がたっぷりで、苦味渋味もしっかり。顔には大きなアザまであります。でも最後にはかわいく見えてくるんですよね。
好き度:★★★★
42日目:ゲド戦記.テルー
— Onji. (@Oj_0624) 2022年9月8日
#100日チャレンジ pic.twitter.com/S9m2L5JSt8
ん?
いま気が付いたんですが、お蔵さんの名前、裏ラベルは白杉酒造ですが、表ラベルの左側は白杦酒造になってますね。杦は杉の異体字で、読みも「すぎ」。もしかしたら白木久で杦→木久ってこと!?
公式サイトを見ても、そのへんのこと書いてないんですよね。お蔵さんの歴史すら書いてない。1777年以前創業の老舗なのに。でも調べたらOsakelistという日本酒情報サイトに白杉酒造さんの記事があって、「白木久」という酒の名前は、「白杉」を「白杦」と表記したことに由来しますって書いてました。お蔵さんの魅力が伝わるとても読み応えのある記事だったので、気になる方はどうぞ。
【DATA】
蔵元:白杉酒造株式会社(京都府京丹後市)
造り:純米大吟醸
原料米:丹後産コシヒカリ
精米歩合:40%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:+2 ・・・ ちょい辛
酸度:2.0 ・・・ 高い!
酵母:協会10号酵母
製造年月:2023年11月
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