【Domaine Sogga Le Sake Naturel 90】(ドメーヌ・ソガ ル・サケ・ナチュレル90)
超マニアックな変態熟成SAKE。しかもなぜか美味しい
普段は普通にワインを造っている小布施ワイナリーさんが、ワインがお休みの冬の間に趣味で作った日本酒。飲むのは初めてです。楽しみ。ともあれ、まずは味わってみましょう。
香りはレーズンのような甘酸と生酛っぽい旨味がグワッ。なんだこれ?
口当たりはとろっと入ってきて、白ワインっぽい酸味と、控えめなお米の甘味と、熟成したような旨味。濃厚で異次元の味わいです。
で、よく見たら、瓶に2019って書いてありますね。なるほどやっぱり熟成か。
あれ?ラベルの下の方に書いてあるの「NAMAZAKE」、え?生酒の熟成!? 一般に生酒は酒質が変化しやすいので、早めに飲むことを推奨されています。でも世の中にはそれをあえて熟成させる「生熟」という超マニアックなジャンルもあるんですよね。失敗したら飲むに堪えなくなるので、ある意味ギャンブル。
さらに、字がびっしりの裏ラベルの一番下に恐ろしいことが書いてありました。曰く「品質保証期間2020年8月31日。9月1日以降は超マニアックな香り、味わいのSAKEになる可能性があります」って、半年以上過ぎとるやん!
この文章、どう見てもフリですよね。「押すなよ、押すなよ」的なやつ。確かにマニアックなお酒になってました。しかも、なぜか美味しいんだこれが。
自ら「自意識過剰」って言ってる裏ラベル、見れば見るほど変態(誉め言葉)です。
まず田んぼの段階からおかしい。「17年以上肥料を与えず13年以上農薬を使ってないので田の収穫量は一般美山錦の20%強」って何? 普通の田んぼの1/5しか取れないの? 自社でお米から作っているお蔵さんはあるし、無農薬にこだわってるところもあるけど、ここまでやってるのは見たことない。しかも「削らずとも胚芽タンパクの少ない米ができる筈」だから精米歩合90%。造りは完全生酛。酵母は、既に頒布されていない旧協会1~5号酵母と協会6号酵母のみ使用。どう考えても本業のワインの片手間にやるってレベルじゃないですよね。
ジブリで例えると「千と千尋の神隠し」のオオトリ様。ヒヨコっぽい何かの神様です。すし詰めでお風呂に入ってるの、かわいいと言えなくはないけど、どう見ても人間の世界からは外れてます。でもやっぱりかわいい。一緒にすし詰めお風呂に入ってみたい。
満足度:★★★★
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