こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

【ガチ飲み比べ】會津宮泉&冩樂 > テナー(ゲド戦記)[ジブリ酒]

會津宮泉(あいづみやいずみ) & 冩樂(しゃらく) 純米酒

會津宮泉 冩樂

今日は特別編。会津の超人気銘柄、會津宮泉と冩樂の飲み比べです。
両方とも、福島県会津若松市・宮泉銘醸さんの火入れ純米酒。ついでに言うとこの2本、使っているお米も酵母も全く同じです。
そしてなにより、どちらも、世界一美味しい市販酒を決める日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION」の純米酒部門で1位に輝いたことのあるお酒。
これは燃えます。

そもそもこの飲み比べが実現したのは、ちょっと前にこちらのお店で冩樂の無濾過生を飲んだときに遡ります。お店のお姉さんと話していて、會津宮泉と冩樂が両方1位になったことがあるという話題になりました。そしたらお姉さんが、両方とも仕入れることができるからと言って、取り寄せてくれたんです。ありがとうございます。

でもまずは、お酒の紹介から行いましょう。

會津宮泉
會津宮泉

會津宮泉は、宮泉銘醸さんが昔から造っていた銘柄。蔵の敷地内にある井戸から汲んだ仕込み水が、酒造りに最も適すると言われている灘の名水「宮水」に極めて近い水質だったことから「宮泉」と命名されました。

冩樂
冩樂

一方の冩樂は、現在の蔵元・宮森義弘さんが作り上げた銘柄。義弘さんが蔵を継いだとき、宮泉銘醸の経営状態は何年も赤字が続いている状態で、お酒も美味しくなかったそうです。しかし、同じ福島の名酒・飛露喜を飲んで衝撃を受けた義弘さんは一念発起。酒造りを学び、試行錯誤して作り上げたのが「冩樂」です。銘柄名は、ちょうどその時期に廃業することになってしまった本家筋の酒蔵の銘柄を引き継ぎました。
そうして2007年に発売された冩樂はいきなり評判になり、2014年に行われた第3回のSAKE COMPETITIONで1位に輝きます。

そして會津宮泉の方も造り方を改革し、こちらも2018年のSAKE COMPETITIONで1位に。ちなみにその時、冩樂は5位でした。素晴らしい快挙!

ふたつの銘柄のコンセプトは、冩樂が「季節に沿った銘柄米を使い、しっかりと磨いて造る」。會津宮泉が 「伝統を守りつつ、次の時代に挑むような、新たなる試みを」。會津宮泉は以前は県内限定でしたが、今は全国に流通しています。

なお、冩樂は宮森義弘社長と共に同級生の山口武久さんが、會津宮泉は社長の弟の宮森大和さん共に同級生の市田元樹さんが造られています。造り手も違うというのは、良い競争意識が働きそうですね。切磋琢磨!!

さて、それではいよいよ、飲み比べ。
でも、最初に謝っておきます。いきなり結論ですが、この2本、ほとんど違いがわかりませんでした。ひと口ずつ交互に飲んだら、わずかな違いはあるにはあるんですが、文章化したらほぼ同じ。ブラインドで出されたら絶対に区別できません。そしてどちらも、めちゃくちゃ美味しい!!

というわけで、両方のお酒の共通レビューです。

上立ち香、米旨ほの苦かすかにバナナ。うん、これは間違いなく美味しいやつ。

口に含むと、酸ほわん。青いバナナの爽やか酸。そこから味わい全体が、バランス良くふわあっと広がって、後味じんわり旨苦味。じわうまああああ。
モダンとクラシックの中間にいる感じ。どちらの良さも持っていて、どちらの弱点も補い合っています。つまり、めちゃくちゃ美味しい。落ち着きがありつつ華やかな美味しさ。
含み香やさしく米旨ほわあ。ここだけ、強いて言えば冩樂の方がわずかに華やかさを感じました。でもどちらか片方だけ出されても判別できる気はしません。


アテはいろいろ盛り合わせ。和洋中のどれにもちゃんと合います。でもまあ、いちばん合ったのは例によってレモンなんですけどね。レモンをかじってからお酒を飲むと、お酒の甘味がほわっと引き出されてほんと好き。

ジブリで例えると「ゲド戦記」のテナーさん。テルーの育ての親で、ハイタカの昔なじみの女の人です。やさしくて、芯がしっかりした人。テナーさんも大変な過去を持っていますが、しっかりと生きています。

好き度:★★★★☆

會津宮泉
冩樂
會津宮泉
冩樂

【DATA】會津宮泉
蔵元:宮泉銘醸株式会社(福島県会津若松市)
造り:純米酒 一回火入れ
原料米:福島県産 夢の香
精米歩合:60%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2024年6月

【DATA】冩樂
蔵元:宮泉銘醸株式会社(福島県会津若松市)
造り:純米酒 一回火入れ
原料米:福島県産 夢の香
精米歩合:60%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
製造年月:2024年5月

※今回の記事を書くにあたり、SAKETIMESさんの記事を特に参考にさせていただきました。素晴らしい記事をありがとうございます。

最後に、冩樂は表記ゆれが大きいので、検索に引っ掛かるようにキーワードを書いておきます写楽・冩楽・写樂(これはあんまり見ないけど一応)・寫樂(ウ冠の寫は間違いだけど一応)・寫楽・会津宮泉
僕の冩樂さんの記事にはこういうの仕込んでるから、右上の検索窓で検索するときは、どれを入力しても大丈夫なはずです。でもいちばんラクなのは、「しゃらく」とひらがなで入れることですね。

 

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