【蓬莱 純米大吟醸 生原酒 東条愛山】(ほうらい とうじょうあいやま)
きれいなアルコール感と甘味がふわぁ
W穀良都に続いて、同じ渡辺酒造店さんの蓬莱。一見レトロ調なデザインがカッコいいですね。特A地区・東条産の愛山というのに、心が躍ります。
特A地区というのは、質の高い酒米ができる特定の地区のこと。山田錦でよく見ます。中でも、兵庫県の吉川(よかわ)地区と今回の東条地区が特に有名。この地区は、夏の昼夜の寒暖差が大きく、土壌が粘土質であることから、雑味の原因になるたんぱく質が少なくて芯白が大きいお米が育ちやすいんだそうです。
僕自身は特Aと普通の山田錦を飲み比べたことはないんですが、以前特A吉川産山田錦を使ったみむろ杉を飲んだことがあります。みむろ杉を醸す今西酒造さんは、地元・三輪の原材料にこだわっているお蔵さんなんですが、その実力を見極めるためにごく少量だけ特A山田錦を使ったお酒も造られているんだそう。その時に酒屋さんが「同じ設計で作っても、吉川産の方がちょっとだけ華やかで甘味も強い」とおっしゃっていたのが印象的でした。
閑話休題。蓬莱に戻ります。
香りは、気持ち良いアルコールと甘さのある上立ち香がふわり。
口に含んだ印象も上立ち香通りの甘アルコールです。日本酒度+3で数値上はちょい辛口だけど、甘味がはっきり。アルコール感もきれいで、含み香になって鼻からふわぁっと飛んでいきます。美味しい!
すっきりしていて、良い意味でアル添大吟醸みたい。
ジブリで例えると「千と千尋の神隠し」のハクの微笑み。ハクは、きれいな顔をしてるんだけど、基本的にいつも厳しい表情をしています。だからこそ、たまに微笑んだときの笑顔の破壊力がヤバイ。
満足度:★★★★
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