【月桂冠 月】(げっけいかん つき)
するする飲めるスーパー軽酒
月桂冠の飲み比べ。第2弾はカップ酒の「月」です。スーパーやコンビニなどどこでも売ってるやつ。今回も、100mlのミニサイズがあったからこちらにしました。参考小売価格は税抜99円です。めっちゃリーズナブル。
ちなみに、「ワンカップ」というのは大関株式会社の登録商標なので、大関以外はワンカップという名前は使えません。月桂冠は「エコカップ」というらしいですね。
前置きはこれくらいにして、飲んでいきましょう。
冷やすのが良いとのことなので、キンキンに冷やしていただきます。
香りは、ほとんどありません。かすかに甘さと穀物を感じる程度。ほんのかすかだけど、良い感じですね。
口当たりはするする水みたい。一瞬あとから、優しい酸味とほのかな甘みが広がります。きれいな薄口。最後にちょっとだけ旨味が膨らんで、後味を残さずすっと消えていきます。え?美味しい。軽くてきれいで爽やか。
薄口なので、食事にもとても合わせやすいです。
飲み比べの当て馬みたいで申し訳ない選び方をしてしまいましたが、思ったよりずっと美味しかったですよ、これ。ワンカップ大関よりも好き。月桂冠の中では、THE SHOTシリーズよりも好みですね。THE SHOTシリーズは手軽な本格派。それに対して月は、するする飲める日常酒という感じです。何か軽ーく飲みたいときは、これでいいんじゃない?
スペックも見てみましょう。
ラベルに書いてあるのは原材料とアルコール度数だけ。法律上書かなきゃいけない最低限の項目ですね。
原材料:米、米麴、醸造アルコール ・・・ まあ普通ですね。糖分とか酸味料とか入ってないのは好感が持てます。醸造アルコールがいい仕事してる。
アルコール分:13~14度 ・・・ やっぱり低アルですね。嫌な刺激が全くありません。
それ以外のスペックは、公式サイトに載ってました。
100mlあたり、
エネルギー:96kcal
たんぱく質:0.3g
脂質:0g
炭水化物:4.6g
食塩相当量:0g
・・・違う、そうじゃない!
知りたいのはそこじゃない!
いや、このお酒に求められる情報は、僕ら日本酒ファン(という名のただの呑兵衛)向けとは全然違うということですね。
ちなみに酵母は、独自開発で特許取得の「さわやかキレ酵母」。リンゴ酸を高生成するんだそうです。なるほど、協会77号酵母ほどリンゴ酸がドバドバ出てる感じではないですが、確かに爽やか。
特許番号がわかったので、特許情報プラットフォームJ-PlatPatで特許内容を見てみました。前に調べた菊正宗キンパックの酵母の特許は、培養選別して酵母を得るための方法が主でした。でもこちらの特許は、遺伝子の内容で特許を取ってますね。意味は全くわかりません。面白い!
お!? 月の発売は1997年なんですが、この特許は出願が2015年。途中で酵母が変わったのかな?
造りも面白いです。通常の酒造りでは、3回に分けてお米を投入する「三段仕込み」が普通なんですが、こちらはさらにもう一度お米を入れる「四段仕込み」。甘めのお酒で時々見るやり方ですが、まさかこんな普通酒で四段だとは!
さらに、このお酒の加水前の「つき原酒」というお酒が2018年に数量限定で発売され、世界最大規模のお酒の品評会、IWC・インターナショナルワインチャレンジ2018SAKE部門普通酒カテゴリーでゴールドメダルを取っています。凄い! 飲んでみたい!
この「つき原酒」はアルコール度数20~21%ということなので、通常の「月」はかなり加水されてますね。あんまりリンゴ酸ドバドバな感じがしないのは、そのせいかな? いや、調べれば調べるほど面白いなあ。
ジブリで例えると「思い出のマーニー」で、マーニーの後ろに光る三日月。美しい。
ジブリで月というと、かぐや姫の物語や平成狸合戦ぽんぽこでも出てきましたが、それとは違う、美しく儚い月ですね。マーニーの美術は、ほんと美しくて大好き。
満足度:★★★★
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