【越後桜 大吟醸】
お手頃な 酸甘ふわ苦 大吟醸
こないだ飲んだ「北秋田」と並んで、スーパーで見かけるアル添大吟醸です。
調べてみたら、こちらの越後桜酒造さん、「北秋田」の北鹿さんと同じグループ企業なんですね。前に「天狗のどぶろく」をいただいた小山本家酒造さんを中心とし、「越乃雪椿」の雪椿酒造さんも加入している世界鷹小山家グループの一角。なるほど、どれもスーパーで見かけます。営業力と供給力があるグループなんでしょうね。
今回買ったのは300mlの小瓶ですが、よく見るのは720ml四合瓶で、1000円くらい。北秋田も同じくらいなんですが、アル添とは言え大吟醸でこの値段ってすごいですよね。こちらも安くて美味しいという噂を聞いて買ってきました。
これは冷やした方が美味しい予感があるんです。でも本番前のリハーサルで、まずは常温で味見。
香りは、熟れてない青いバナナの甘酸っぱさと、ストレートなアルコール感と、わずかにセメダイン。まあ、冷やすとほとんど感じなくなったんですけどね。
口当たりはとろっと入ってきて、甘酸苦味がカツーン。そして、するっと引いていってきれいに消えます。
これを冷やすとどうなるかな?
本命はやっぱり冷酒。雪冷え(5℃)くらいにしっかり冷やしていただきます。
口当たりはするっと入ってきて、薄くマスカットの酸味とほんのり甘味。そこから、口の中で温度が上がるにしたがって、甘味と苦味がふわっと溶けて広がります。後半は甘苦アルコールが気持ちよく膨らんで、ふおぉっと吹き抜けます。美味しい。
温度が少し上がって花冷え(10℃)くらいになると、甘さがちょっと開きます。これも美味しい。
美味しくて300mlをするっと飲み干しそうになったんですが、ここでふと思い出しました。このお酒、全国燗酒コンテスト2020の最高金賞でした。
調べてみたら、受賞したのは「お値打ちぬる燗部門」という、720mlで1100円以下のカテゴリ。最高金賞は応募総数211本の中から12本だけの狭き門です。これは試してみねば。残りほんの少しだけですが、ぬる燗にしてみます。
温めると、やっぱり香りは開きますね。口に含むと、甘酸苦味がぶわっと広がります。味わいが1.4倍くらいになった感じ。と、ここまではいいんです。その後、喉を通るときに酸苦が引っ掛かります。ちょっとキツい。燗は僕にはあんまり合いませんでした。やっぱりキンキンに冷やしたときの清々しい鮮やかさと、それが溶けてふわっと広がる感じが好きですね。
北秋田も越後桜も、この価格以上の価値は充分にあります。お手頃で美味しいです。比べると、北秋田の方がキリっと辛口で食事に合わせやすそう。越後桜はほんのりフルーティーで、食事に合わせてもそのままでも美味しいです。どちらもしっかり冷やすのがおすすめです。
ジブリで例えると「コクリコ坂から」の海ちゃん。主人公です。このお酒を一言で表すなら「凛とした少女」。爽やかで甘味もあって、でも苦みもある。それでもすっくと立って前を向いている。そんな魅力的な女の子をジブリで探すと、やっぱり海ちゃんですね。
満足度:★★★★
なんか、ラベルがめっちゃきれいにはがせました。
関連記事: