【千歳鶴 純米酒】
穀物の 甘旨じわじわ レトロ酒
1合瓶の「蔵べる」シリーズ14本目。ついに全27種類の半分を超えました。北海道の千歳鶴さんです。
千歳と言う名前は付いてますが、お蔵さんがあるのは千歳市ではなく札幌市。実は僕は大学の頃、札幌に住んでたので、だいたいの土地勘はあります。お蔵さんの住所・南3条東5丁目って、めっちゃ街なか。あんなところに酒蔵あったんですね。知りませんでした。
まず常温で味見します。
香りはお米と雑穀の甘さがはっきり。その奥に乳酸もいます。
口に含むと、やっぱり甘いですね。フルーティーな甘さじゃなくて穀物感のある甘さ。旨味もぐわっと広がります。飲みこむときの喉への刺激がちょっと気になるかな。
やっぱり冷やした方が美味しそうです。キンキンに冷やしていただきます。
冷やしたら、香りはだいぶ落ち着きました。ほのかにラムネっぽい甘酸。
口当たりはさらさらで、そこから飴と穀物の甘旨がじわじわじわじわ膨らみます。一歩遅れて苦みもじわじわ。酸味はほんのりだけ。レトロな甘旨ですね。
喉のひっかかりは、冷やすとだいぶ減りました。そして飲みこんだあたりから、穀物アルコールの含み香が鼻にふわぁ。13度の低アルにしてはアルコール感しっかりです。
公式サイトによると、スペックは、
アルコール度数:13% ・・・ 低いですが、意外にアルコール感あります。
精米歩合:65% ・・・ 旨味がしっかり出ています。
日本酒度:+2 ・・・ まん中くらい。でも思ったよりは高いですね。しっかり甘さを感じます。
酸度:1.0 ・・・ 低いです。確かに酸味は控えめ。
アミノ酸度:1.3 ・・・ こちらも低めですね。旨苦がじわじわくるので、もう少し高いかと思ってました。
お米は吟風だそうです。比較的新しい北海道の酒米。こないだ上川大雪でも飲んだお米ですが、まだ味の傾向はよくわかりません。
ジブリ例えると「紅の豚」のマンマユート団のボス。憎めない悪役です。意外と優しいし、旨味がじわじわにじみ出てきます。
そもそも、元々悪い人じゃないんでしょうね。なんで空賊なんかやってるかというと、第1次世界大戦でパイロットとして戦ったのに、戦争が終わったら問答無用でクビにされたから。当時、同じようにクビになった元パイロットが大量にいました。彼らが飛び続けたいと思った時に残された道は、郵便飛行か、曲芸飛行か、空賊でした。と言っても空賊は宮崎監督の創作ですけどね。でも、郵便飛行も曲芸飛行も、実は空賊以上に危険で、いつ死んでもおかしくない職業だったんです。
特に郵便飛行については、「星の王子さま」のサン・テグジュペリが書いた「夜間飛行」という小説に詳しく載っています。郵便飛行機事業のパイロットや支配人、整備士などを描いた、人間の尊厳と勇気をテーマにした作品です。死と隣り合わせの夜間飛行に向かう/送り出すことへの、葛藤と覚悟。現代の価値観からするとちょっと受け入れにくい内容ですが、読んでて思わず背筋が伸びるような凄烈さがありました。
曲芸飛行も危険度で言えば郵便飛行以上。かと言って、不況で就職先なんてありません。しかも命をかけて戦った兵士をポイっと捨てた国家には恨みもあります。そりゃ空賊になった方がマシと思うのも当然ですね。
満足度:★★★
マンマユート団のボスやっぱいいキャラしてるわw
— べご (@nora_gamer85) 2018年11月2日
この解説モードのボス大好き
登場人物みんな良い奴だよな#紅の豚 pic.twitter.com/FvjcuYRwtF
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