【AMT ORIGINAL BLEND × ISLAY】
イソの香に アイラを感じる 異次元酒
福井県・田嶋酒造さんの謎のお酒です。なんせ情報が全く出てこない。なんとか引っかかったのは、食べログのレビューだけ。どうやら飲食店限定の極小ロット品みたいですね。
これ、飲む前から変態なのはわかってたんです。なんせ、マスターの紹介が「アイラウイスキーの樽で熟成させたお酒」。読みにくいけど、ISLAYってアイラなんです。
アイラウイスキーというのは、スコットランドのアイラ島で作られるスコッチウイスキー。ラフロイグやボウモア、オクトモアなどの銘柄が有名です。知ってる人はもう想像がついてると思いますが、ウイスキーにもいろいろある中、アイラ島のものって重度の変態枠なんですよね(個人の見解です。ついでに言えば、褒め言葉です)。とにかくめちゃくちゃクセが強い。でもハマると、それがやめられなくなっちゃいます。
田嶋酒造さんは、メイン銘柄は「福千歳」。山廃仕込みにこだわったお蔵さんとのことですが、スコッチやバーボンの樽熟成のお酒でクラウドファンディングを目標比596%で成功されてたります。今回のお酒もその文脈の樽熟成だと思うんですが、ラベルにブレンダーまで書いてるくらいなので、その中の特別品なんでしょうね。
さあ、いったいどんな味になってるんでしょう?
色は、錫の酒器でもはっきりわかる黄色。
そして香りがもうド変態。イソの香りがプンプン。イソの香りと言っても、もちろん代表的な吟醸香・バナナを感じる酢酸イソアミルの香りではなくて、いかにもアイラな、ピート感たっぷりの磯の香りです。ただ、それだけじゃなくて、ほんのり乳酸感もあります。ウイスキーとも日本酒とも全然違う異次元の香りですね。
口に含むと、酸ぽわぽわの甘旨。そこから酸旨甘ぼわん。さらに旨アルがガガガガ!
後味は、甘苦ビリビリで、含み香がやっぱりアイラバリバリの磯。
うん、香りが強烈すぎて、日本酒を飲んでる感じが全くしません。かと言って当然ながらウイスキーとは全然違う。これまでにも変態なお酒はいろいろ飲んできたけど、飛びぬけて変態。と言うより、もう変態というくくりに入れることすら憚られる異次元の酒。名状しがたいとはこういう時に使うのか。いあいあ。なぜ戦争や差別はなくならないのかとか、ムダに哲学的なことを考えてしまうレベルでヤバい。純米原理主義者もアル添スキー派も、これの前では仲良くできそうです。
ジブリで例えると「ゲド戦記」のクモ。正体不明年齢性別不詳のラスボスです。原作設定では、優秀だったのに力に溺れて闇落ちした魔法使い。どうしてこうなった!?
満足度:★★★
ゲド戦記のクモが男だって知って今めちゃくちゃ萌えてる pic.twitter.com/0PGXwWfkWv
— ミタニ🦍 (@nitaningo) 2021年2月15日
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