【久保田 純米吟醸にごり】
とろんから パカーンと華やぐ パイン缶




去年新発売されて美味しいと話題になっていた久保田さんのにごり。春の限定酒です。ひとつ前の朝日山さんに続いて、新潟県長岡市・朝日酒造さんのお酒ですね。
こちらのお酒は、こないだ緑川さんを買ったお店で買ってきました。緑川・久保田・朝日山・南しか取り扱っていない、小さいけれどこだわりの酒屋さんです。
久保田さんと言えば、かつての淡麗辛口ブームを牽引した超有名銘柄。そして今飲んでもやっぱり美味しいです。特に萬壽なんてめちゃくちゃ美味しかった。
ただ、久保田さんのにごりって、全く味の想像ができません。久保田さんの味の方向性とにごりがどうしても頭の中で結びつかない。いったいどんなお酒なんでしょう?
開栓は、なんの問題もなし。プシュとも言いません。ちょっと意外。あ、そうか、生酒じゃないんですね。
澱は瓶の底の方に、綿飴のようにやわらかく溜まっています。というわけで、まずは上澄みから。上澄みと言っても、ちょっと澱が混ざってて、色はおりがらみくらいですけどね。
香りは、ラムネの爽やかさとパインとアルコールとほの苦。少しだけレモンもいるかな。予想と全然違うとこから攻めてきた。めっちゃフルーティーで香り豊かですね。そしてこの子、アルコール13度なんですよ。それなのに、小さいけど輪郭のはっきりした、気持ち良いアルコール感があります。
口に含むと、いきなりくっきりパイン缶とリンゴの甘酸っぱさ。そしてそれがさらに、じゅわんっと広がります。甘〜♪ うんま〜♪
と思ったら、甘味も酸味もすうっと引いていく。でも口の中には、糖分たっぷりだったんだなあという後味が残ります。
全然、久保田さんらしくない。でも美味しい!
さて、それでは澱を混ぜていきましょう。
下に溜まっていた澱が均一になるように、瓶をやさしくひっくり返します。
お、色がだいぶ白くなりました。これはうすにごりじゃなくて、れっきとしたにごり。
香りはアルコール感が引っ込んで、にごりらしい苦さを感じます。でも、ラムネの爽やかさは健在。
口にふく、、、!? なんだこれ!?
口当たりが全然違います。ひとことで言うと、密度が上がった。お米は完全に溶けてて米粒感はないんだけど、その分、予想以上にとろんとしてます。
そして、甘味がちょっと引っ込んで、フルーティーな酸味が際立ってます。濁りの苦味も主張してきた。
鮮やかな酸味が開いてます。パイン缶感パカーン!
うまっっっ!
めちゃくちゃ華やかですね。美味しい!
あんまり他の銘柄に例えるのは失礼な気もするんですが、この味わいは、花陽浴さんを思い出しました。それくらい華やか。
アテは、イカの唐揚げと、春らしい筍の土佐煮。もうちょっとすっきりしたにごりを想像して用意したアテくんなので、ちょっと心配。でも、イカの唐揚げはもう、文句なしに合います。そしてちょっと甘めの味付けの筍も、お酒の甘味と全然ケンカしない。
さすが久保田さん。なかなか守備範囲が広そうです。さすがに、お刺身に合わせるのはしんどそうだけど、洋食だったらいろいろ合わせやすそうですね。
ジブリで例えると「紅の豚」のジーナさん。とろりん華やか美人さん。でも、苦味はあんまり強くないから、カーチスから見たジーナさんですね。ジーナさんは、ほんとはたくさんの苦味を抱えてるんだけど、カーチスからはそれが見えてなくて、ただただ美人さんです。
好き度:★★★★☆
ジーナ「ハリウッドへはボク一人で行きなさいね」
— 246_にしむ〜@N-ONE RS (@Nishimu_246RS) 2022年1月14日
カーチス「ボク‥?」
#紅の豚#ジーナ#金曜ロードショー pic.twitter.com/RouyYeGIyV




【DATA】
蔵元:朝日酒造株式会社(新潟県長岡市)
造り:純米吟醸 にごり酒
原料米:五百万石
精米歩合:60%
アルコール度数:13% ・・・ 低い
日本酒度:-35 ・・・ 激甘
酸度:2.3 ・・・ 高い!
製造年月:2023年2月
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