【白馬錦 アルプス湖洞貯蔵 瓶囲い秋熟】
蜜リンゴ 旨味も豊かに まろやかに


ひとつ前の純米大吟醸に続いて、白馬錦さん。ちょうど1年くらい前にはじめて飲んで感動した「秋熟」です。去年飲んだ422杯の中で2位に輝いた素晴らしいお酒。今年も発売を待ち構えていて、発売告知を見てすぐ注文しました。
このお酒は、春に搾った純米吟醸に一度だけ火を入れ、北アルプスの標高900mにあるトンネルでひと夏じっくり寝かせたもの。トンネルの中は、温度が年間通して10℃前後と一定しているため、程よく熟成が進むんだそうです。造り方はひやおろしと同じ。でも、「夏を越して冷えたころに卸している」わけではないから、ひやおろしとは名乗らないということですね。
それではいただきます。飲めるのが嬉しくて、開栓するだけで笑顔になっちゃいますね。
香りはリンゴを中心に、米旨ほの苦シロップ甘。やわらかぽわんと気持ち良い。これはもう美味しいの確定です。
口に含むと蜜リンゴ。爽やか酸と熟蜜甘。それからほんのり米旨味。うまっ!
その甘旨酸は、さらにぽわっとふくらみます。ほんのりと苦アルコールも出てくるけれど、カドがきれいに取れていて、なめらか豊かな複雑味。
はああああ、うまああああ。
やさしくて、とても豊かな味わいです。今年もやっぱり感動。
そしてこのお酒、温度が上がって常温になっても全く崩れずに豊かで美味しいまま。
燗にもしようかと思ったけど、そのままで美味しすぎて、あっという間になくなってしまいました。だって、こんなに豊かなのに雑味がないから、杯が止まらないんですもん。
これはもう1本買ってこなきゃ。


アテに作ったのは、「ナスと豆腐のとろとろしらたき」と「チーちく甘辛焼き」。しらたきのたっぷり旨塩味と、チーちくの甘醤油味、どっちにも合って、食事を美味しくしてくれつつ、お酒もさらに気持ち良い。これは至福。
ジブリで例えると「紅の豚」の、フィオの15年後。去年は10年後にしてたんですが、今年はもっとまるく豊かになった印象。飛行機技師としてはさらに優秀になってるけど、陽気で勝気でかわいいところはそのまんま。きれいな年の取り方をしています。妄想ですけどね。
好き度: ★★★★★
紅の豚のエンディングで出てくる小型ジェット飛行艇がなかなか格好いいんだよなぁ
— WOLKE✈️🛩️🚀 (@AztWolke) 2022年11月10日
単発ジェット、Vテール、折り畳み式の補助フロート、スロッテッドフラップ、前縁スラット、開いてエアブレーキになるエルロン……
宮崎駿監督の飛行機好きがよくわかる(笑)
この機体作りたいな pic.twitter.com/nGemlzMwfH
【DATA】
蔵元:薄井商店(長野県大町市)
造り:純米吟醸 生詰
原料米:長野県大町市産 美山錦
精米歩合:55%
アルコール度数:15.2% ・・・ 普通
日本酒度:±0 ・・・ 普通
酸度:1.4 ・・・ 普通
酵母:協会1801号・901号酵母
製造年月:2023年9月
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