【宗玄 生酛純米ひや詰原酒】
濃厚な 甘アルぼわん 糠ナッツ
※宗玄酒造さんは、1/1の地震で被害の大きかった石川県珠洲市にあります。この記事を用意している1/1深夜時点ではお蔵さんの状況はわかりませんが、大きな被害を受けている可能性があります。宗玄さんは、2022年の僕の年間ベスト10にも入ったくらい素晴らしいお酒を造るお蔵さんです。無事をお祈りいたします。
だいぶお久しぶりの宗玄さん。石川県珠洲市・宗玄酒造さんのお酒です。
宗玄さんは、お蔵さんの住所が石川県珠洲市宝立町宗玄。地名が銘柄名になってるように見えますが実は逆。しかもただ逆なだけじゃないんです。
宗玄酒造さんの創業は1768年。創業者は、初代・宗玄忠五郎さんで、七尾城の戦いで上杉謙信に敗れた能登畠山家につながる家系です。七尾城から珠洲に逃れたご先祖の畠山左衛門尉宗元さんが、宗玄と姓を変えて居を構えたのが現在お蔵さんがある場所。そして地名も宗玄になったんだそうです。地名の元になるって凄い!
こちらをいただいたのは、酒屋さんの角打ち。ほんとは宗玄さんのしぼりたてが欲しくて買いに来たんですが、残念ながら無かったので、角打ちで別の宗玄さんをいただきます。
って、1杯でこの量!? さすが角打ち、凄いコスパです。
それではさっそくいただきます。
色はほんのり黄色が入ったうすにごり。
香りは甘アルぽんっ。え? 甘い? 宗玄さんのイメージと違う。ちょっと糠っぽさのある甘さと、乳酸アルコール。
口に含むと甘酸どん! お米とメロンの濃い甘味。くっきり乳酸もぽわんと気持ち良い。甘味はさらにじゅわっとふくらみ、高アルコールがしっかりぼわん。ナッツの旨苦もずずんと出てきて、後味たっぷり甘苦ががん。やっぱり糠っぽい不思議な風味もありますね。
濃い! 強い!
でもそれが全くイヤじゃない。
これ、後から調べたら日本酒度が±0らしいんですよね。え?ほんと!?めっちゃ甘いけど! 0にはとても思えないしっかり甘味を感じるから、もしかしたら開栓後にけっこう時間が経って味が変わってる可能性があります。でもこれは良い変化。美味しかったです。
アテは、鰻の肝焼き。蒲焼タレの濃厚甘旨に、お酒が全く負けてない。甘味でアテの味を塗りかえた後にアルコールでぶった切ります。うんまっ!!
ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」のシャルル。ドーラの長男の髭面マッチョです。親方とマッチョ対決してたかと思ったら、シータに花を摘んで持ってくるのがかわいいです。甘マッチョ!
好き度:★★★★
ドーラの長男シャルル。30歳。いかつい風貌ながら陽気で人がいい性格をしています。#天空の城ラピュタ #ラピュタ pic.twitter.com/LQOxsrNwfo
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) 2022年8月12日
【DATA】
蔵元: 宗玄酒造株式会社(石川県珠洲市宝立町宗玄)
造り:純米 生酛 原酒
原料米:兵庫県産 山田錦
精米歩合:65%
アルコール度数:18% ・・・ 高い
日本酒度:±0 ・・・ 普通
酸度:2.0 ・・・ 高い!
製造年月:2023年9月
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