【天狗舞 山廃仕込 純米酒】
しっかりと 熟成旨酸 コクとクセ
お久しぶりの天狗舞さん。石川県白山市・
車多酒造さんは幸い多少の被害で済み、蔵人さんもその家族もみんな無事だったそうです。本当に良かった。とは言え蔵人さんには能登に住む方も多く、家が津波で流された方もいるようです。お見舞い申し上げます。
本当に大変な災害ですが、せめてお酒は心をこめて味わいたいと思います。いただきます。
まずは常温から。と言ってもこの季節。温度計で測ってみたら11.6℃。花冷えですね。
色はくっきり山吹色。
香りは熟成コク旨酸と、奥にほんのり蜜甘さ。
うん、しっかり熟成されています。
口当たり、とろんと入って旨味ぽんっ。乳酸もくっきり主張しています。しっかりした味わいですね。でもほんのり蜜甘もあって、やわらかいです。そこから熟成コクとクセ。旨味がぐぐぐと広がります。
含み香は、コクたっぷりのクセと酸。ぶわっと立って、じんわり残る。
しっかり熟成がかかっているので、好みは分かれるかもしれません。でも、熟成酒が好きな人には良いですね。これは、温めても美味しそうです。いつものように、温度計を突っ込んで、湯煎で燗にしていきましょう。
まずは40℃のぬる燗。おお、酸がくっきり気持ちよく立って、甘味も出てきました。甘味は実はそれほど大きくないんですが、ふんわり鼻をくすぐる蜜の香りが効いて、実際の味以上に甘く感じます。そして、旨味苦味は柔らかくなった。美味しい。
それが、50℃熱燗→60℃飛び切り燗と上がるにつれて、甘味が減ってすっきりします。そしてコク全開の含み香が立ってちょっと鼻についちゃう。僕はやっぱり40℃ぬる燗くらいが好きでした。
アテは、洋の「至高のポテトグラタン」も、和の「肉ネギうどん」にもちゃんと合いました。いちばん合ったのは、スパイスを効かせたポークソテー。肉にもめちゃくちゃ合います。味のしっかりしたものが良いですね。
ジブリで例えると「平成狸合戦ぽんぽこ」のおろく婆さん。フルネームは火の玉のおろく。気が強い、多摩の狸の肝っ玉かあさん。怒らせたら恐そうだけど、ふっくら優しいし味があるんですよね。
好き度:★★★☆
ブタのつぎはタヌキ。「紅の豚」につづき「平成狸合戦ぽんぽこ」1994年ができたそうな。タヌキは日本代表のキャラクターであるとの故高畑勲監督のきもいりで。六代目金長と火の玉おろく#金長神社#ジブリ pic.twitter.com/Fo85jHNkRb
— Hattori Hiroaki (@bacchirin) 2023年7月15日
【DATA】
蔵元:株式会社 車多酒造(石川県白山市)
造り:純米 山廃
原料米:五百万石などの酒造好適米
精米歩合:60%(全量自家製米)
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:+3 ・・・ ちょい辛
酸度:2.0 ・・・ 高い!
製造年月:2023年11月
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