こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

千の福 > ウルスラ(魔女の宅急便)[ジブリ酒]

千の福せんのふく 純米大吟醸 無濾過生原酒】

やわらかい ほの辛口な フルーティー

千の福

千の福
千の福
千の福
千の福

 

はじめましてお酒、千の福さん。広島県呉市・三宅本店さんのお酒です。
従業員数は48名と、なかなかの規模のお蔵さん。主要銘柄は、この千の福ではなく「千福」で、読み方は「せんぷく」です。
この銘柄名の由来は単におめでたいからではありません。初代三宅清兵衛さんが女性の内助の功を讃えるために、母・フクさんと妻・千登(ちと)さんから一文字ずつもらって付けたのだとか。ええ話やん。
ん? でもそうすると、「千の福」って意味が違ってこない? ・・・まあいいか。

三宅本店さんの創業は、安政3年(1856年)。幕末ですね。当初は味醂、焼酎、白酒を製造していましたが、1902年に清酒製造に参入します。
その後の歴史も見てみると、旧日本海軍の軍港だった呉のお蔵さんならではのエピソードがいろいろ出てきて面白いです。

1920年には練習艦・浅間にお酒が積まれました。そこで、赤道を何度か通過する220日あまりの航海でもお酒が変質しなかったことから、全国の海軍基地に納入されるようになります。戦艦大和にも千福が積まれていたのだとか。
良いことばかりではなく、海軍から潜水艦積込用のお米の精白を要求されて、昼夜兼業で約一ヶ月かけて作業したとか、軍港・呉の空襲で全家屋・社屋・酒蔵を焼失したとか、苦しいこともありました。それでも、設備投資などをしっかり行いつつ、酒造りを続けてきたようです。

今回のお酒は、純米大吟醸 無濾過生原酒。ただこのお酒、公式サイトの商品一覧に載ってないんですよね。でも、国際的なお酒のコンクール・IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)2018の大会推奨酒に選定されたそう。それは楽しみ。さっそく飲んでいきましょう。

香りは米旨フルーティー。奥のアルコールも気持ち良い。

口に含むと、旨酸ふわり。やさしいですね。それがふんわり広がって、奥から出てくる苦味もまろやか。
甘味は少し控えめだけど、全体がやわらかいからとてもバランス良く感じます。後半に辛口感がくくっと出るけど、それもなぜかやわらかい。

含み香、酸アル気爽やかで、後味の酸旨ほの苦も心地よい。
うまああああ。


アテは、ローストポークも合うけど、サツマイモとの相性が良くてびっくり。サツマイモの甘味でお酒の甘味は減るけど、なぜかフルーティーさが際立ちます。

ジブリで例えると「魔女の宅急便」のウルスラ。森の中に夏の間住んでる、絵描きさん。ベタベタ甘くはないけど、爽やかで優しいお姉さんです。

好き度:★★★★☆

千の福

千の福

【DATA】
蔵元:株式会社 三宅本店(広島県呉市)
造り:純米大吟醸 無濾過生原酒
精米歩合:50%
アルコール度数:16.5% ・・・ 高め
製造年月:2024年7月


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