【龍神丸 純米吟醸生原酒50】
(りゅうじんまる)
複雑で ふんわり柔らか 熟成酒
幻の酒と言われる「龍神丸」。ずっと飲みたかったお酒にようやく出会うことができました。同じお蔵さんの「紀勢鶴10年古酒」は今年同じお店で飲んだんですけどね。紀勢鶴、めちゃくちゃ美味しかったなあ。しかもお酒のストーリーが泣けた! だから余計に飲みたかった本命の龍神丸、見つけた瞬間に注文です。
まずは香り。ほんのりカラメルを感じます。あれ?熟成? 瓶を見てみると、蔵元冷蔵庫取出日が2020年3月だし、「瓶熟成させて仕上げた」とも書いています。やっぱり熟成ですね。甘さとかすかな苦さがとてもきれいです。
口に含むと、複雑な風味を伴った黒蜜のふんわり優しい甘味。その後ろから熟成の旨苦がじわぁぁーー。とんがったところは全くなくて、きれいで柔らかい味わいです。後味も長くて心地良い。
含み香はスモーキーさを思わせる風味とまあるい甘さと、すっきり旨ドライさもあって複雑で幸せです。アルコール18度!? そんなにあるとは全然思えません。ふわうまぁーー。
ジブリで例えると「魔女の宅急便」のニシンのパイを作るおばあちゃん。優しくて物腰柔らかで、きれいな歳のとり方をしています。ニシンのパイだって、本家イギリスのやつに比べたらめちゃくちゃ上品。本家の方、見たことない方は「スターゲイジーパイ」で画像検索してみてください。3分くらい笑えます。イギリス人のセンスって謎っ!
話を戻して「魔女の宅急便」という作品。初めて観た頃は僕も高校生で、キキの自立の物語だと思ってました。もちろんそれはそうなんだけど、歳をとって見てみると、周りの大人たちの優しさも大きなテーマなんだと気付きます。エンディングテーマも「やさしさに包まれたなら」ですしね。このおばあちゃんも、そんな優しさを担う重要なひとりです。
満足度:★★★★★
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