【松竹梅 昴 生貯蔵酒】
セメダイン 甘酸苦と アルじわわん
お久しぶりの松竹梅さん。前回は約1年前、大手メーカーのカップ酒と本気酒を飲み比べるという企画で、カップ酒・天と、大吟醸 磨き三割九分の飲み比べでした。
今回の昴さん、ずっと気にはなってたんです。キャッチコピーが「こんなに香り高い日本酒があるなんて」「フルーティーな香り織りなす生貯蔵酒」。
そしてさらに「当社の独自開発した酵母により、通常の吟醸酒の2倍以上の香り成分を生成することで、今までにないフルーティーな香りを生み出したお酒です」とのこと。
これ、どう見ても、菊正宗ギンパックにぶつけてきてますよね。ギンパックは、パック酒なのに、そんじょそこらの純米大吟醸よりも香りが立つという驚異のお酒。美味しいんです。そこに後出しでぶつけてくるわけですからね。そりゃもう「見せてもらおうか、松竹梅の昴の実力とやらを」てなもんです。
ただ、これまでは1.8Lと900mLのパックしかなかったから、手を出しにくかった。そこに今回、300mL瓶が新発売されたんです。これは飲むしかないでしょう。
ちなみにニュースリリースによると、昴自体の発売は去年2022年の2月22日。今回の300mL瓶は今年2023年3月14日に発売です。スーパーで見つけたのが4月だったから、発売直後に棚を取ってます。さすが大手メーカーの営業力ですね。
そして、ただ飲むだけでは面白くない!
ここはライバルのギンパックとガチ対決してもらいましょう。ギンパックの方も同じ300mL瓶を用意して、同じ条件で飲み比べです。
ちなみに、ガチ対決企画としては以前、「日本盛 生原酒シリーズ vs. 月桂冠 THE SHOTシリーズ」という飲み比べをやっています。どちらが勝ったかはここでは言いませんが、圧倒的な大差がつきました。今回はどうかな?
温度帯は、雪冷え(5℃)。まずは昴さんからいってみましょう。
香りは、セメダインと甘アルコールがくっきり。そしてほんのりメロンの吟醸香。
ああ、こう来ましたか。セメダイン感がフレッシュさを演出しています。でもちょっと強くて、好みの分かれるところですね。
口に含むと、フレッシュフルーツ甘酸苦。ライチとメロンとメンソール。それがぽわっとふくらんで、含み香セメ苦アルコール。後味も、甘苦アルがじわわわん。
飲み進めると頭が痛くなる感じのアル添感があります。14度なのにくっきりアルコール。うーん、ごめんなさい。これは僕には合いませんでした。
一方のギンパックの方はどうでしょう?
まあ既に何度か飲んでるんですが、公平を期すために再度味わいます。
上立ち香、梨とリンゴの吟醸香。香りの強さでは昴さんと互角くらいなんですが、ギンパックの方が優しい香りです。
口に含むと、おだやか甘味とひかえめ酸味。おだやかなのに、めっちゃフルーティー。実際の味わい以上に、香りで甘さを感じさせますね。だから甘味でベタベタしない。そして、奥から出てくるほのかな苦味も優しいです。うん、やっぱりこれ、美味しいわ。特に、普段日本酒を飲み慣れていない人には薦めやすいですね。入手もしやすいし。
ギンパックについては、詳しいレビューは以前の記事をご覧ください。
2024/4/19修正:この下には2021年のレビューリンクを貼っていたんですが、2023年にギンパックのリニューアルがあったので、そちらの記事に差し替えました。ギンパック、リニューアルしてさらに美味しくなってた!!
好き度
松竹梅 昴 :★★
菊正宗ギンパック :★★★★ → ★★★★☆ (2023年リニューアル後)
結果としては、菊正宗ギンパックの圧勝でした。もちろん、ただの素人酒飲みの判定ですし、他の方の意見を否定するつもりはありません。結局は好みの問題ですしね。むしろ違う意見があればぜひ聞いてみたいです。僕の気付かなった昴さんの魅力を発見できるかもしれませんしね。
とは言えギンパックは、今年のIWC(インターナショナル ワイン チャレンジ)でも、普通酒部門トロフィー(第1位)と、小売価格1200円以下から選出されるグレートバリューサケを、ダブル受賞しているバケモノなんですよね。ライバルとは言え強敵すぎたかな。
(最高賞の「チャンピオン・サケ」と「グレートバリューアワード」は7月4日に発表予定です)
ちなみに合わせたアテは、お昼ごはんに作った「餃子とミートソースのたっぷりチーズ焼き」。冷凍の水餃子とレトルトミートソースにチーズをぶっかけて焼くだけの、簡単でジャンクで激ウマな、ラザニアっぽい謎料理です。フルーティー系のお酒に合うかと思って作ってみたら、予想以上にめちゃくちゃ合いました。
昴さんをジブリで例えると「ゲド戦記」のクモ。年齢性別不詳のラスボスです。さすがにラストの崩壊したクモじゃなくて、美しさを保ってる頃。原作設定では、優秀だったのに力に溺れて闇落ちした魔法使いです。うーん。
『ゲド戦記』のクモは当初、男性的な外見も考えられていました。
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) 2022年7月29日
しかし、ハイタカが肉体派で行動派のため、知識だけで生きているクモは身体を使わない、陽にも当たらず、顔色も悪く、声も小さい中性的なキャラクターが良いだろうと、吾朗監督は考えたそうです。そのため声も女性が担当しています。 pic.twitter.com/Y4qh2D8Jlt
【DATA】(松竹梅 昴)
蔵元:宝酒造 株式会社(京都府京都市伏見区)
造り:普通酒 生貯蔵酒
アルコール度数:14~15% ・・・ 低め
日本酒度:±0 ・・・ 普通
酸度:1.0 ・・・ 低い
製造年月:2023年3月
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