【大那 純米吟醸 無加圧搾り 無濾過生原酒】
旨しっかり 甘味もくっきり クラシック
だいぶお久しぶりの大那さん。栃木県大田原市・菊の里酒造さんのお酒です。3年半ぶりですね。こちらを選んだ決め手は「無加圧搾り」。搾るときに圧力をかけず、そのまま出てきたお酒を集めた部分だそう。袋搾りや雫取りとは違うっぽいけど、雑味の少ないきれいなお酒を期待します。
大那さんの銘柄名の由来は「大いなる那須の大地」。那須高原の麓・黒田原を中心に、有機循環型農法を取り入れた契約農家のお米を使い、「究極の食中酒」を目指しているのだとか。瓶には農家さんの名前まで載っていますね。
今回の農家さんは、五月女昌巳さんという方です。大学の同期に栃木県出身の五月女君がいたなあ。親戚かな? と思って、試しにこの方の名前でググってみたら、めちゃくちゃ凄い人でした。
五月女昌巳さんは、1945年に農家の長男として生まれました。高校卒業後は1年間アメリカの農家で研修。帰国後、地元でビール麦や大豆の大規模生産を先導します。肩書を見ると、米価審議会委員・全国農業経営者協会副会長・全国稲作経営者会議会長・環境ホルモン研究評価委員・国際農業者交流協会副会長など、数々の役職を歴任。ICT技術を活用した水稲の圃場管理システムの構築なんかもされています。ほんと凄い!
そんな方の作った今回のお酒の原料米は「吟のさと」。福岡発祥の酒造好適米です。僕がこれまでに飲んだお酒では、大分産の吟のさとを使った鷹来屋、茨城産の浦里、福岡産の三井の寿、奈良産のしずくかな(花巴のお蔵さん)を飲んでるから、けっこう全国に広がってるっぽいお米ですね。
それでは飲んでいきましょう。
香りはわずかに甘旨酸。ふんわり上品クラシック。
口に含むとおだやかに、甘旨酸がするりと入り、甘旨ぽわっと広がります。最後は旨味がぐぐっとふくらみ、じわっと苦味も現れる。
旨味苦味は力強く、甘味はくっきりお米のシロップ。ひかえめな乳酸酸味があることで、全体のバランスが取れてます。
特に突出したところはないんだけど、普通に美味しい良いお酒でした。この普通っていうのがなかなか難しいんですよね。美味しかった!
アテは幅広く合いそうだけど、今回特に合ったのは、もやしと水菜のナムル。ニンニクの効いたゴマ油と塩味がやさしいけれどしっかりした味わいで、お酒の旨甘をほわっと引き出します。
ジブリで例えると「ゲド戦記」のハイタカ。強くてやさしくて、苦味も抱えています。特にキャラが立ってるわけじゃないのに存在感がある。
好き度:★★★★
おはよっす〜٩( ᐛ )و
— やまぽん (@yamapon1144) 2024年1月21日
わしらが持っているものは
いずれ失わなければならない
ものばかりだ。
苦しみの種であり、宝物であり
天からの慈悲でもあるわしらの命も。
(ゲド戦記:ハイタカ) pic.twitter.com/w4Gcwooo3H
【DATA】
蔵元:菊の里酒造株式会社(栃木県大田原市)
造り:純米吟醸 無濾過生原酒 無加圧搾り
原料米:栃木県大田原産 吟のさと
精米歩合:55%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:-1 ・・・ 普通
酸度:1.6 ・・・ 高め
製造年月:2024年2月
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