【天美 特別純米】
甘酸が するっと入って 旨じわわん
昨年、杜氏の藤岡さんが退職され、新体制の白天と桃天を飲んできた天美さん。実は、まだ藤岡さんが最後に手掛けた12月生産分の黒天を売っているお店をチェックしていて、無くなる前に買っていました。藤岡さんの天美を飲めるのは、おそらくこれが最後になると思います。
今回は前置きはこれくらいにして、心を込めて味わっていきたいとおもいます。
それでは、いただきます。
香りほんのりリンゴがふわり。奥にラムネの爽やか苦さ。
口当たり、ほのピリ甘酸フルーティー。リンゴとブドウの果実感。それがぽわっと広がって、奥からじわっと旨苦味。はああ、美味しい。
含み香ほわっとフルーティー。後味豊かに旨甘渋。お米の旨味とブドウの甘渋。この後味の残り方、渋味があるのにきれいです。
白天よりも、地に足がついたような旨渋があって、フルーティーなのに幅広い食事に合いそうです。
アテに合わせたのは、豚キムたっぷりチーズ焼き。豚キムチの上にチーズをたっぷりかけて焼いたというジャンクで美味しいやつです。この旨辛濃厚チーズ味を、お酒がふわっと溶かして、甘旨がほわっと広がります。はあああ、美味しい。
もうひとつ合わせたのはイチゴ。今回の品種は「ゆめのか」です。甘酸っぱいイチゴでお酒の甘味が少し相殺されて、旨味がやさしくほわあ。こちらも天美さんには鉄板ですね。
無くなってしまうのが悲しくて、ちびちび飲んで5日目。酸が少し開いてきた感じです。青リンゴの酸ときれいな苦味がするっと入って、旨味がじわわん。ああ、気持ちいい。ああああ、無くなっちゃった。
ジブリで例えると「千と千尋の神隠し」のハク。若く見えるのにしっかりした、爽やかイケメンです。ラストシーン、千尋がハクの手を離して、ハクの手だけが残っているのが切ないんですよね。もう会えないのかあ。
これまでたくさんの幸せをありがとうございました。
好き度:★★★★☆
千と千尋は何度観てもハクの手だけが残されて静かに下ろされていくシーンで泣いてしまう............「また会える?」に「きっと」と返したハクを想うと私はもう駄目です pic.twitter.com/mZggVKZbIH
— ささくれ (@_sasaku) 2024年1月5日
【DATA】
蔵元:長州酒造株式会社(山口県下関市)
造り:特別純米 生原酒
原料米:麹米/山田錦、掛米/西都の雫
精米歩合:麹米60%、掛米60%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
酵母:協会701号
製造年月:2023年12月
関連記事:
- 価格: 1815 円
- 楽天で詳細を見る