こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

平六醸造 > ラナ(未来少年コナン)[ジブリ酒]

平六醸造(ひらろくじょうぞう) layer ブドウ】

ブドウ感 おとなしいけど くっきりと

平六醸造

平六醸造
平六醸造
平六醸造

はじめましてのお酒、岩手県紫波郡紫波町・平六醸造さんの「layer ブドウ」です。

平六醸造さんは、2023年に創業したばかりのクラフトサケ醸造所。
クラフトサケというのは、日本酒の製造技術をベースにしながら、副原料を入れたり搾る工程を省いたりして、酒税法上の「清酒」の定義から外したお酒です。なぜこんなことをするのかというと、現在、一部の例外を除いて、日本酒の製造免許は新規発行がされないから。新しく酒蔵を作りたいと思ったら、既存の酒蔵の免許を買い取るか、清酒じゃないものを造るしか手が無いんです。 

平六醸造代表の平井佑樹さんは、実家である菊の司酒造の後継者として生まれ育ちました。平井家は1615年頃に初代平井六右衛門さんが紫波町で宿を開業したときから続く旧家。1772年頃に6代目が酒造りを始めます。「ひらろく」って最初は読みにくいですが、平井六右衛門さんが由来ということですね。平井佑樹さんのお父様が15代目平井六右衛門さんで、平井佑樹さんは16代目になります。

平井佑樹さんも大学卒業後は菊の司酒造で酒造りの道に入ります。そして、全国新酒鑑評会での金賞受賞や、国際的なお酒のコンペティションIWC(インターナショナルワインチャレンジ)でゴールドを受賞するなど、どんどん評価を高めていきました。

しかし業績は振るわず、2021年には岩手県内を中心にパチンコ・スロット店を展開する(株)公楽さんに事業譲渡。創業家の平井家も蔵を離れることになります。

一度は酒造りを諦めた平井さんですが、周囲の「またお酒を造ってほしい」という声に再起を決意します。2023年にその他醸造酒の製造免許を取得。クラウドファンディングでは目標の4倍を超える1051万円を集めることに成功されました。

お蔵さんは、平井家の創業の地である紫波の「日詰平井邸」。ここは平井さんの高祖父にあたる12代平井六右衛門さんが建てたもので、国の重要文化財にも指定されています。それだけ聞くと凄いですが、築100年を超える木造の建物。維持するだけで大変だと思います。平井さんはここを地域交流の場として一般開放されています。

そうして今年2024年2月にようやく新酒が完成。
平六醸造さんの酒造りの基本は、副原料として発芽玄米を加えたもの。同じお米でも、発芽したものは日本酒の原料からは外れるんですね。そしてそのお酒に、さらに副原料としてブドウ果汁を加えて発酵させたのが今回の「layer ブドウ」です。ブドウ果汁を加えるというと、前に飲んだハツユキソウと同じですね。

さて、長くなりましたが、いよいよ飲んでいきましょう。

平六醸造
色はきれいな薄ピンク。
香りはほんのりブドウジュース。程よく薄くてちょうど良いですね。

口に含むと酸甘ぽっ!おとなしいけどくっきりです。巨峰っぽい風味がほわんとあるけれど、主張はせずにおだやかです。酸がほわっと広がって、それがすうっと引いていく。後味葡萄のほの甘渋。14度だけどアル感はそれよりさらに控えめです。

明らかにブドウなんだけど、主張しすぎず品が良いですね。美味しい!

ジブリじゃないけど例えると「未来少年コナン」のヒロイン・ラナ。おとなしいけど芯があります。そしてかわいい。

好き度:★★★★

平六醸造

平六醸造

【DATA】
蔵元:株式会社平六醸造(岩手県紫波郡紫波町)
造り:その他の醸造酒 無濾過原酒
原材料:岩手県産米、発芽玄米、ブドウ
精米歩合:麹米50%、掛米90%
アルコール度数:14% ・・・ 低め
酵母:協会901号酵母
製造年月:2024年4月

平六醸造さんのことを知ったのは、2023年2月に公開された日本酒メディア・SAKE Streetさんの記事を読んだからでした。今回も記事を書くにあたり、サケストさんの記事、平六醸造さんの公式サイトクラウドファンディングMakuakeを参考にさせていただきました。ありがとうございました。

 

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