【天野酒 純米吟醸】
酸味ドンッ 苦酸旨甘 ドガガガガ
前にアル添吟醸を飲んでめちゃくちゃ美味しかった天野酒さん。特別純米も良かったし、気になってたんですが、なかなか出会えなかったんです。そしたらなんと、たまたま入った会社近くのコンビニで売ってました。しかもちゃんと冷蔵庫に入ってる。これは楽しみです。
買って帰って、早速開けてみました。
色はほんのり薄黄色。
香りは乳酸と穀物感が主張しています。その奥に蜜の甘さとアルコール感もほんのり。そういえば、天野酒アル添吟醸も穀物系でした。
口に含むと、乳酸の酸味と黒糖の甘味がドンッとぶつかってきます。おお、なかなかのインパクトですね。と油断したところに苦酸旨甘味がドガガガガっと攻めてくる。アルコール感もブオーーンと現れて、爆撃後にそのまま飛んでいく。
これはなかなかの戦力。やられました。
食事を合わせるなら、お酒に負けない濃いめのものが良いですね。この日の晩ごはんだった豚の生姜焼きとの相性も良かったんですが、味噌汁にはもっと合いました。
ジブリで例えると「もののけ姫」のジコ坊。神殺しを企む怪しい坊さん(?)です。唐傘連という謎の組織や山の民・地走り達を率いて、実にえげつないやり方で神々を蹂躙します。まあ、悪役と言っても良いとは思います。でも宮崎監督は、善悪を二分できるような単純なキャラクター造形はしていません。いろいろな思いや歴史や立場を背負った複雑な人物なんです。
ちなみに宮崎監督は、著書「折り返し点」の中で、ジコ坊のことを次のように語っています。「彼はこの世の中でいちばんたくさんいる人間だと思ってる」「組織の命令が下りると善悪は考えず命令に従う」「やってることのおぞましさは十分知っていながらそれをやるんだから、じゃあ悪人かというと、悪人とは言い切れないんです」「こういう人を否定すると、僕らはほとんどの人間を否定しなければいけなくなる」「みんなお父さんたちはこうやって生きてるんだよ」「会社人間というのはほとんどがこういう人たちですよね」
そういう視点で見返してみると、彼の複雑さがより深掘りされて、かえってわからなくなります。それが面白い。
まあ、やってることは本当にえげつないんですけどね。
あ、わかった! このお酒、ジコ坊がアシタカと食べてた味噌雑炊にめっちゃ合います。
満足度:★★★☆
もののけ姫のジコ坊とアシタカが食べてた雑炊は出ないのかな🍚
— あんず☺︎ (@724_Anz_oO) 2021年9月1日
すごい好きなジブリ飯なんだけどな(マニアック)#今夜くらべてみました pic.twitter.com/8UHlTXIA8m
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