【百年貴醸酒 2022】
蜜甘酸 焦げ苦ずずん 百年酒
ぱっと見では意味不明。でも実はめちゃくちゃ面白いお酒です。
蔵元は仁井田本家さん。にいだしぜんしゅ・穏を醸すお蔵さん。自然米(農薬・化学肥料不使用)100%、100%純米造り、自然派酒母100%というすっごいこだわりのあるお蔵さんですね。
貴醸酒というのは、仕込み水の一部をお酒に代えて造ったお酒です。この百年貴醸酒というのは、その添加するお酒を前の年の百年貴醸酒にしたもの。つまりその中には一昨年の百年貴醸酒も入ってるわけで、これを百年繰り返したら、過去100年のお酒が全て入った貴醸酒ができあがるわけです。ロマンの塊!!
2011年に創業300周年を記念して始めた企画。ってさらっと書いてますが、2011年の福島ですよ。大変なこともたくさんあったでしょう。その年に次の100年を見据えて企画を始めるというのがカッコよすぎです。泣きそう。
ちなみに瓶デザインの○の中は年数を表していて、上の○が10の位、下が1の位です。100年目の2110年に1●●になる予定。これはぜひ実現してほしいですね。僕がそれを見ることはできないでしょう。でもだからこそ想いが受け継がれてほしい。
それでは、飲んでいきましょう。
色はほんのり薄琥珀。
香りは蜜の甘さを中心に、ほんのり熟苦酸。ちょっと黒くなったトーストみたいな焦げ感が逆にそそられます。
口に含むと、とろり豊かな蜜甘酸ぼぼん! 焦げ苦もずずん! 旨味もあるとは思うんだけど、甘酸苦味が豊かすぎてその陰に隠れちゃってます。
後味は甘味がじわっと残って、意外に淡くほわっと消えます。こんなに主張が強いのに、嫌な感じを残さずに消えるのがいさぎよい。
スペックは、
蔵元:(有)仁井田本家(福島県郡山市)
造り:貴醸酒 生酛純米
原料米:無肥料自然栽培米
精米歩合:80%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
酵母:無添加(蔵付き酵母)
製造年月:2022年9月
ジブリで例えると「崖の上のポニョ」のグランマンマーレ。ポニョのお母さんの、海の女王です。その名の通り、偉大な母親。恐ろしくも美しく、強大な力を持っています。
満足度:★★★★
あと、グランマンマーレの登場シーン。
— 米林宏昌 (@MaroYonebayashi) 2020年9月19日
ギリシャ神話の女神とインド神話の女神を合わせたような感じかなーと思いながらもよくわからなかったので粘土で顔を作ってみたりした。
やっぱりよくわからなかったけど… pic.twitter.com/FsHibljS7i
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