【ど 純米】
とろとろで 甘苦ぽわぽわ アルずどん
人気のにごり酒特集では常連。秋田県山本郡八峰町・山本酒造店さんの「ど」です。以前は「白瀑」(しらたき)という銘柄名が付いてましたが、何年か前に「白瀑」が取れて「ど」だけになったはずです。たしか。
前から飲んでみたいと思ってたんですよね。
この日は而今・飛露喜と凄いお酒が続いたから、この後に普通のお酒を飲んだら霞んでしまいそう。なにか変なお酒はないかなとマスターに相談したら、奥からこの子が出てきました。うんうん。まさにこういうのが飲みたかったんです。
こちらのお酒は、2004年に生まれた商品。その頃は酒蔵の経営状態が厳しくて、仕込んでる途中の純米酒を早く現金化しようと、嫌がる杜氏を説得して網目の粗いザルで濾して瓶詰めしたことから生まれたんだそうです。発売当初は出荷後に噴出事件が続出して、クレームの嵐だったんだとか。今でこそ「吹き出し注意」のラベルがかかってるお酒とか穴あき栓を使っているお酒がたくさんあるけど、当時は珍しかったんでしょうね。ちなみに僕も以前「尾瀬の雪どけ 桃色にごり」で、輸送中に半分以上吹き出してしまったことがありました。
まあ、今回はお店なので安心。それでは飲んでいきましょう。
注ぐときからもう、とろっとろ。濃厚まっ白です。
香りは、米苦アルコール。お米の苦さって表現はたぶんはじめて使ったし、自分でも意味はわかならいんだけど、そうとしか表現できない苦さです。嫌じゃない苦味。
口当たりは、とろんとろんしゅわんしゅわん。米粒感はあんまりないけど、粘度がめっちゃ高いです。お米が全部溶けている感じ。なのに炭酸がしゅわんしゅわん。これは面白い!
そこから、お米と乳酸の甘酸苦味がぽわん。含み香と後味は、甘苦ぽわぽわ、アルコールずどん。15度とは思えないくっきりアルコールですね。美味しい。
アテは、冷奴ではもちろん太刀打ちできません。ちょうど出てきたのが、お店へのいただきものだという、メニュー外のエゾシカソーセージ。高たんぱく低脂質な肉質の分、豚よりはちょっと固いかな。味はチョリソーのような感じで辛味を足していたので、鹿肉単体の味はよくわかりません。でも、ちょっとクセのあるピリ辛スパイシーで美味しかった。そして、その強さにお酒の強さがめっちゃ合います! 美味しかった~。
ジブリで例えると「千と千尋の神隠し」の おしら様。千尋がエレベーターで一緒になった大根の神様です。白くてとろんとろんで刺激的。千尋が川の神様を助けたシーンで、他の神様と一緒に踊ってよろこんでるのがかわいいです。
好き度:★★★★
おしらさまのかわいさが際立っててやばい#千と千尋の神隠し#おしらさま pic.twitter.com/MOR7mbY27L
— ゆか子 (@NKPrenezsoinde) 2019年8月16日
【DATA】
蔵元:株式会社 山本酒造店(秋田県山本郡八峰町)
造り:純米 にごり生酒
精米歩合:65%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2022年12月
関連記事: