【大嶺 2粒 火入れ 山田錦】
フルーツの 酸味がキリっと カッコ良く
ついこないだ「夏のおとずれ」を飲んだばかりの大嶺さん。今回は、特別なお酒です。
大嶺さんは、瓶に描かれているお米の色や形でいろいろわかるんですが、2粒というのは、精米歩合が30~49%の高精白。今回のお酒は35%だから、全国新酒鑑評会出品クラスの本気酒ですね。そして、描かれているお米が白で普通の形だから、使っているお米は山田錦。酒米の王様です。
この読み方については、近々特集記事を書きたいですね。
実は2粒自体は前にも一度飲んだことがあるんです。でもその時は、2~3年寝ていた熟成酒。前のモデルの真っ白な瓶がめちゃくちゃカッコ良かったんですが、お酒本来の力を出せていたのかはわかりませんでした。今回はちゃんと現行品ですから、めちゃくちゃ楽しみです。
そしてこのお酒は、世界一美味しい市販酒を決める日本酒コンペティション「SAKE COMPETITION 2023」の純米大吟醸酒部門でGOLD 第1位を獲得したお酒。凄い!
この子は結構な高級酒で、普通なら買うのにかなり勇気がいります。でも、ひとつ前の「勝山 鴒」と同じく、自腹じゃありません。感謝しつつ、しっかり飲んでいきましょう。
と言いつつ、いきなり開栓で苦労。この子、特別な形状のコルク栓なんですが、力が入れにくい形な上に、ちょっと固い。開けにくかったです。
なんとか開けて、グラスに注ぎます。
香りは、キウイを中心としたフルーティーと米甘旨。おとなしいけど、輪郭がくっきりしています。
口に含むと、酸ほの甘。キウイとメロンのフルーティー。その後に、苦旨じわっと現れて、後味じんわり苦甘旨。お、後味が意外に長いですね。含み香は、甘さがふわっとフルーティー。
甘味は意外におだやかで、フツーティーな酸味が中心です。酸味中心のお酒ってあんまり得意じゃないんですが、この子は刺さってこないから嫌じゃない。高精白なすっきりさもあるから、むしろキリっとカッコいいです。そして、14.5度のわりにはアルコール感がはっきり。そのアル感も、柔らかくて気持ち良いです。
なるほど、いつもの大嶺さんを、磨いて研ぎ澄ませてカッコよくしたお酒でした。めっちゃ美味しい!
ただ、正直なところ、大嶺さんのお酒でもっと好きなものはあるから、自腹で買うにはこの値段はキツいかな。
合わせたアテは、豚こまトンテキ。トンテキ用の厚切り肉じゃなくて、安い豚コマを固めて作ったものです。こんなこと考えるのはやっぱりリュウジさんのバズレシピ。これ、豚コマだからこその柔らかさがあって、むしろ普通の1枚肉よりも美味しい!ソースも最高! その甘辛のソースとお肉の旨味が、お酒の旨味を引き出して、くうぅーーっ! ウマっ!!
調べてみたら、このお酒は「お鮨やフレンチなどの繊細な料理」に合うとのことですが、お肉にもよく合いました。
ジブリで例えると「耳をすませば」のバロン。雫の小説の中に登場するバロンです。白スーツがカッコいい。持って回った言い方でしゃべる様子が、猫の恩返しのバロンよりもキリっと気高い感じですね。
好き度:★★★★☆
『耳をすませば』
— Lucky Bean/豆吉 (@Mame_comes_back) 2021年10月24日
フンベルト・フォン・ジッキンゲン男爵に魅入られ
初挑戦で書いた雫の小説の中で
バロンに導かれ
空を飛ぶ時の
バロンの台詞
なぁに 近づけば
それ程の事はないさ
遠い物は大きく
近い物は小さく
見えるだけのこと
行こう 恐れずに
午後の上昇気流が乱れる時
星にも手が届こう! pic.twitter.com/G7kbXLip2X
【DATA】
蔵元:大嶺酒造(山口県美祢市)
原料米:山田錦
精米歩合:35%
アルコール度数:14.5% ・・・ 低め
製造年月:2023年6月
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