【越前岬 STARK KAISER 】
+10? やさしくなめらか 超辛口
はじめましてのお酒、福井県吉田郡永平寺町・田辺酒造の越前岬さんです。
おっ! 永平寺町! 黒龍酒造さんと、白龍の吉田酒造さんがあるところですね。黒龍酒造さんと吉田酒造さんは、車で11分のご近所さん。でも田辺酒造さんは、黒龍酒造から900mで、さらにご近所さんです。
今回のお酒は、シュタルク カイザー。ドイツ語で「力強い皇帝」という意味だそうです。ん? でもこの絵は見るからにナポレオンですよね。ナポレオンを、よりによってドイツ語圏の人がカイザーと呼ぶことはあり得ないと思うんですが、どうなの?
まあ、そんな細かいツッコミは置いときましょう。ちなみに僕の中でカイザーと言えば銀河英雄伝説のラインハルトです。ジーク・カイザー・ラインハルト!!
それでは飲んでいきましょう。
香りはほとんど感じません。ほんのかすかに米旨さ。
口に含むとやわらかく、真水のように淡くてきれい。そこからお米のほの旨と、乳酸酸味と、甘味の気配。淡いまま、するっと喉を通ります。
日本酒度+10にはとても思えない飲みやすさとなめらかさ。含み香もほとんどありません。淡い。
でも本番はここから。後味がじわわわーんと豊かなんです。大きくはないんだけど豊か。上品なまま、とても印象的です。
アテは、鯛のお造り。ポン酢でいただく淡白な鯛の旨味がこのお酒にぴったり。このアテの日にこのお酒を飲めたのがとても幸運でした。
温度が上がってくると、旨味酸味が立ってきました。本領はこっちな気がします。力強い皇帝って名乗るくらいですしね。でも、雪冷え(5℃)~花冷え(10℃)くらいの、淡くてなめらかなのに後味豊かなのも魅力的。
ジブリで例えると「レッドタートル」の「男」。
「レッドタートル」は、2016年公開の、ジブリの中では飛びぬけてマイナーな作品です。監督は、オランダ出身のマイケル・デュドク・ドゥ・ヴィットさんで、日本・フランス・ベルギーの3か国による合作。カンヌ国際映画祭の、独自で特異な作品に与えられる「ある視点」部門特別賞を受賞しています。
この映画は、全編通して一切セリフがないという、かなり前衛的でアーティスティックな作品です。でも、とても美しいし、見終わった後に、不思議な深い後味が残ります。独りのちょっと寂しい夜なんかにおススメですよ。
主人公の「男」も、名前すら出てきません。ただの「男」。台詞はないんだけど、実に味わい深いんです。
好き度:★★★★
【投稿マンガ】
— 四コマ映画 (@4komaeiga) 2016年10月13日
嵐で荒れ狂う海に放り出された男が、九死に一生を得て無人島に漂着。男は島からの脱出を試みるが、不思議な力で何度も島に引き戻されてしまう。絶望状況の中、男の前にひとりの女が現れ…。映画『レッドタートル ある島の物語』https://t.co/wlOpVJlSxy pic.twitter.com/EN6eakKzbi
【DATA】
蔵元:田辺酒造有限会社(福井県吉田郡永平寺町)
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:+10 ・・・ 超辛口
酸度:1.5 ・・・ 普通
製造年月:2023年5月
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