【菊正宗 ギンパック 新旧飲み比べ】
リニューアルで さらにすっきり 飲みやすく
最近、ギンリッチ・キクマサギン生を飲んできた菊正宗さんのリニューアル&新製品、実は今回が本命。ギンパックのリニューアル前後の飲み比べです。
ギンパックは、そんじょそこらの純米大吟醸よりも香る驚異のパック酒。実はレビューに上げてないのも含めて定期的に飲んでます。ちなみにこのブログのアクセス解析を見ると、検索から来ていただいた方の圧倒的多数が「ガチ対決! 松竹梅 昴 vs. 菊正宗ギンパック」という香り系パック酒の飲み比べ記事を見られていました。たくさん見ていただいてありがとうございます。
そしてこのお酒、今年の国際的なお酒のコンペティション・IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2023で、グレートバリューチャンピオンサケを受賞。グレートバリューチャンピオンサケは、小売価格1200円以下から選出される賞。つまり、コスパ世界一ということ。ギンパックは2019年にも同賞を受賞していて、同一商品で2度の受賞は史上初の快挙なんだとか。凄い! おめでとうございます!
そんなお酒がリニューアル。今回のリニューアルのポイントは、「果実感UP!」だそうです。公式サイトによると、最初の発売時と比べたら、リンゴのような吟醸香「カプロン酸エチル」は1.4倍、バナナのような吟醸香「酢酸イソアミル」は1.2倍になってるんだとか。このあたりをちゃんと数値で出して改良を続けているのがさすがですね。
パッケージの表記も「グラスサケ」→「キクマサギン」に代わっています。ブランド戦略がはっきりして良いですね。このシリーズ、ギンカップ・ギンパック・瓶の「しぼりたて生貯蔵酒」と、表記がバラバラでややこしいんです。それが、ギンシリーズにまとまってすっきりしました。
ちなみに、リニューアル前の方の製造年月は2023年7月。リニューアル後は2023年10月です。紫外線を通さないパック酒ですし、常温保存可能品なので、3ヶ月差くらいではそんなに劣化しないとは思います。ただ、劣化の可能性がゼロではないのはご了承ください。
さて、それでは両方開けて、飲み比べてみましょう。違いを判別できるかな?
温度は、花冷え(10℃)くらいでいただきます。
まずはリニューアル後の方から。
香りはふわっと梨ジューシー。良いですね。旧の方と嗅ぎ比べると、旧の方にはかすかな苦渋があるように感じます。と言っても、比べればわかる程度で、単体だと気にならないんですけどね。
口当たり、するっと素直な梨ほわん。甘味はぽわっとふくらんで、ほんのり旨酸渋味も出てきます。お米の旨味と青リンゴの酸味。渋味はブドウの収れん味(口の中がきゅっとすぼまる感じ)。
そして含み香が、口いっぱいにほわわわあ。梨の甘さと程よいアルコール感が心地よいです。そして後味、やさしい渋甘ほんのりじわん。苦味はとてもおだやかです。
飲み比べると、旧の方は後半の旨渋が少し大きいように感じます。だから、飲みごたえという意味では旧の方がある。でもこの旨渋は雑味と紙一重なので、新の方が飲みやすいですね。よりするする飲めます。僕は新の方が好き。
パッケージには「果実感UP!」と書かれてるけど、僕は「飲みやすさUP!」だと感じました。
もちろん、旧の方も飲みやすかったんですよ。でも、リニューアルして、より飲みやすくなっています。これは初心者さんへのおすすめにぴったり。
僕は、初心者さんにおすすめするときには、
・手に入りやすいこと
・飲みやすいこと
が最も大事だと思っています。
初心者さんは知らない地酒がたくさん並んでる酒屋さんに入るのは躊躇しちゃいます。だから、コンビニやスーパーで手に入るのが良いですね。それに180mlの小さいパックがあるのも、失敗したときのダメージが少ないから挑戦しやすい。
そして、飲みなれていない人には、アルコール17度以上のしっかりしたタイプは、ウッってなっちゃいがち。できれば低アルのすっきり甘口が良いです。ギンパックはその両方を兼ね備えてる。
もちろん、良いお酒を飲ませて沼に沈めるという考え方も好きなので、飲み屋に初心者さんを連れて行ったときは、いきなり十四代様を飲ませたりします。
でも、家飲みならまずギンパックを飲むのはおすすめです。リニューアルで前よりも自信を持って勧められるようになった!
ちなみに温度帯は、雪冷え(5℃)~花冷え(10℃)くらいがちょうどよいです。それより冷やすと、香りが立ちにくくて魅力が減っちゃう。5~10℃なら冷蔵庫に放り込んでおけば良いので、ラクで良いです。
ジブリじゃないけど例えると「カリオストロの城」のクラリス。古くからの血を継ぐ家系の最新のお嬢様。清楚でかわいい。
好き度:★★★★☆
旧の★4から明らかに進化しています。
『カリオストロの城』公開から6年後に宮崎駿(作画)&山本二三(美術)の、本編と同じスタッフで描かれたもの。あくまで宮崎駿による”IFのその後”なんだけど、あれからクラリスがどんな人生を送ったかが、ほんのり伺える最高の1枚。 pic.twitter.com/0OQC7rCjBp
— のざわよしのり (@mad_yn) 2023年5月5日
【DATA】
蔵元:菊正宗酒造株式会社(兵庫県神戸市東灘区)
造り:普通酒 生貯蔵酒
アルコール度数:14% ・・・ 低め
日本酒度:+3 ・・・ ちょい辛
酵母:キクマサHA14酵母(特許第6119881号)
製造年月:2023年10月
菊正宗さんは、去年、特集記事も書きました。でもその後、注目の新製品も出てるし、そろそろ更新版を作らなきゃですね。
関連記事: