【天美 純米吟醸 うすにごり生原酒】
とろシュワで 乳酸桃甘 ぽわわんと
天美の中でも特に人気の高かった桃天さん。去年の桃天さんは文句なしの感動酒でした。
昨年、杜氏の藤岡さんが退職されて不安だったんですが、新体制になって初めて飲んだ白天さんは思った以上に白天でした。とは言え、やっぱりちょっと不安は残ります。大好きなお酒だからこそですね。
まあ、もう四の五の言ってもしかたありません。飲んでいきましょう。
ちなみに四の五のというのは、博打でサイコロの目の予想を四(丁)か五(半)か決めかねてぐだぐだ言ってることからきた慣用句です。そんな雑学なんか挟まずに、さっさと飲めってことですよね。
まずは開栓。桃天さんと言えば、冷蔵庫の中でも栓が飛ぶという元気いっぱいのお酒。ビビりながら気を付けながら冠頭(アルミキャップ)を外していきます。
お?
ちょっとじゅわっと言ったけど、全く問題なく開栓。フレッシュさはあるけれど、ガス感はそれほど強くはなさそうです。
ただ念のため、これまでの桃天も2月ロットと3月ロットでは発泡感が違っていたので、これから飲む方も油断はしないでくださいね。
いつものように、まずは上澄みからいただきます。
上立ち香、レモンと桃とかすかにバナナ。おだやかだけど、良い香り。フルーティーで、ほんのりラムネ感もあります。
口に含むとプチシュワで、乳酸桃甘ぽわわんと。甘酸うまっ!
中盤以降、甘酸はちょっと引いて、苦渋じわんと現れます。美味しいけど、ちょっと舌に残る渋味が惜しいなあ。
澱をまぜてみましょう。
色はきれいなうすにごりになりました。
上立ち香は、上澄みのときと形はおなじなんだけど、少し小さくなった感じ。
口当たり、おっ! だいぶとろっと感が出ています。ピリシュワはそのままだけど、全体的に少しまるくなってる。ちょっと酸味がおだやかになって、お米の旨味が出てきました。でもやっぱり、上澄みと同じで桃甘と乳酸が気持ち良いですね。渋味が残るのも同じ。
初日に用意したアテは、鶏唐・ごぼ天・パイナップル。
一応、意図はあります。白天で苦渋味があったから、にごりでも苦渋味があると予想。それを油もので中和しようとしたんです。そしてそれが大成功。特に唐揚げが良くて、唐揚げのじゅわっと脂旨塩味で、お酒の甘味とミネラル旨がふおおおお。お酒の美味しさがワンランク上がりました。うっま!!!
パインはちょっと冒険。酸味を合わせようと思ったんですが、パインが予想以上に甘くて、そのせいでお酒の甘味と酸味、ついでに渋味もほぼ消えちゃいます。その分、苦旨が裸になって、これはこれでアリ。好みは分かれそうですけどね。
天美さんと言えば、時間経過で味が変わっていくのも楽しいですが、今回はそれほど変化はありませんでした。
3日目に合わせて作ったのは「レモンクリームパスタ」。いつものバズレシピです。レモンがふわっと香るけどそんなに酸っぱくなくて、コンソメの旨塩が効いてて、爽やか激ウマ。桃天にも合います。でも実は予想していた通り、もっと合ったのは、そのまんまレモン。レモンをかじってから桃天を飲むと、きれいな甘味がふわあああっと広がって至福です。感動的。美味しさが2ランク上がります。これはぜひみんなにやってほしい。
そしてこちらも桃天には定番の、イチゴも合わせてみました。この日のイチゴは、奈良のブランドイチゴ・あすかルビー。赤く美しい見た目が特徴で、赤い宝石とも呼ばれています。実が大きくなると果肉ももっと赤くなるんですが、この子は小ぶりで実も白めですね。でも味は甘味と酸味のバランスが良くて美味しい! 桃天に合わせると、お酒の甘味は少し引っ込むけど、酸旨がほわっと広がって、とても気持ちいいんです。
新体制の桃天さん、白天と同じで後半の渋味が少し気になるけど、食事に合わせるには逆に良いかもしれません。特に唐揚げとレモンはすごい合い方をしました。美味しかった。
ジブリで例えると「コクリコ坂から」の主人公・海ちゃん。ちょっと苦味を抱えつつ、しっかりしていて、かわいいです。
好き度:★★★★
昨日「コクリコ坂から」観て、メル描きました🙂
— カフカ (@09LEfcr4YCWG2iA) 2020年8月22日
色付けられなかったのでこんな色してますけど笑 pic.twitter.com/E3rgYnn8eN
【DATA】
蔵元:長州酒造株式会社(山口県下関市)
造り:純米吟醸 生原酒
原料米:山田錦
精米歩合:60%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
酵母:協会901号酵母
製造年月:2024年1月
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