こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

天美 桃天 > 「コクリコ坂から」のエンディング[ジブリ酒]

天美てんび 純米吟醸 うすにごり生原酒

桃甘酸 爽やかやさしく なめらかに

天美

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ひとつ前の黒天さんに続いて、無事に桃天さんも買うことができました。去年一昨年も飲んで感動的に美味しかったお酒です。去年ダントツでたくさん飲んだ天美さんの中でもいちばん好きなお酒。どれがいちばんかはその時の気分によって変わるんですが、実物を目の前にしたらやっぱり桃天さんがトップになりますね。

もう、買った時点でテンション爆上がり。楽しみでしかたありません。
さあ、飲んでいきましょう!
まずは冠頭(アルミキャップ)を外していきます。と、その時点でもう栓が浮いてる! まあ、去年もそうだったから予想はしていました。慎重に栓に指をかけると、力を入れなくても軽くポンって外れます。でも吹き出すことはなく、無事開栓成功。でもこれ、場合によっては冠頭外した時点で栓が飛びそうですね。買った方はご注意ください。

さて、ここでいきなり本日のメインイベントです。
澱を混ぜる前に上澄み! 去年も上澄みがほんとヤバかったんです。店飲みではなかなかできない醍醐味。今年もまずは上澄みからいただきましょう。

香りは、爽やかやさしい酸ほの甘。乳酸バナナとほのラムネ。
口当たりは、ピリシュワ桃甘 酸ぽわん。はうわああー。わかってはいたのに、それでも感動してしまう。体に馴染むなめらかさにとろけてしまいます。これ、去年よりもやさしいんじゃない?

これは困った。美味しすぎていくらでも飲んでしまう。するする消えていって、上澄みだけでもう3杯。まだまだ飲みたいところだけど、自制心を総動員して澱を混ぜていきます。

あああああ! うすにごりにしてもやっぱりめちゃくちゃ美味しい! 上澄みのやさしい甘さに、気持ち良いほの苦の深みが加わっています。

天美
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初日のアテは、タコとブロッコリーのマリネ・ベビーチーズ(モッツァレラ)・フルーツ杏仁豆腐。
マリネは、正直あんまりでした。天美さんに酸味は合うと思ってたんだけど、どうやら酢酸は違うっぽいですね。
ベビーチーズは、桃天さんには酸味を足したいのでモッツァレラにしました。ベビーチーズなのでそんなにモッツァレラの酸味があるわけじゃないけど、この選択は当たり。チーズは鉄板ですね。
フルーツ杏仁豆腐は、上に載ってるフルーツが目当てでした。オレンジはまあまあ。シャインマスカットは、悪くはないけどお友達からという感じ。でも苺はやっぱり間違いないですね。

初日はここまで。いつの間にか3合なくなってました。僕は普段こんなに飲まないのに。誰だ、僕の桃天飲んだやつ?(僕です)

いちごパスタ
2日目は、Twitterでフォローしてる方がやってた異色料理で合わせます。それが苺パスタ。レモンと苺を大量に使う冷製パスタです。正直これ、半信半疑でした。でも、やってみたら美味しいやん! レモンの酸味といちごの甘味と生ハムの塩味がうまく混ざり合って、それと天美・桃天さんの相性が最高!
ちなみにそのままのレモンと桃天さんも素晴らしいです。レモンの酸味が充満したところに桃天さんを流し込むと、甘味がより引き立ちます。ポッカレモンでも良いですよ(去年やりました)。桃天+レモン、桃天+苺は、騙されたと思って一度やってほしい組み合わせです。
残り1合だった桃天さんは、2日目に瞬殺でした。

昨日の黒天さんと同じで、こちらも今しか飲めないお酒なので、順番をすっ飛ばしてのご紹介です。まだ飲んだことのない方は、飲んでおくことを超絶おすすめします。

ジブリで例えると「コクリコ坂から」のエンディング。去年は作品全体に例えたんですが、今年は去年よりもやさしい気がしたので、エンディングにフォーカスします。ふたりを隔てる障害は解決して、甘い雰囲気。だけど、マイナーコードの主題歌「さよならの夏」が、どこか寂しさを掻き立て、作品に不思議な深みを与えています。

宮崎吾郎監督はなぜ、この作品の最後にこんな寂しさを付け加えたんでしょうか?
僕は、このタイトルの「さよなら」は、主人公・海ちゃんの、お父さんへのさよならだと解釈しています。これまで海ちゃんは、もう帰らないお父さんのために、毎朝旗を揚げていました。そのことからの決別。そしてこれからは、別の人のために旗を揚げるんです。そんな前向きのさよなら。

ついでに、この父からの独り立ちは、宮崎吾郎監督の、父からの前向きな独立も込められているのではないでしょうか? 父の背中が大きすぎて、初監督作・ゲド戦記では、思うように作品を作ることができなかった吾郎監督。でもこの作品で、父とは違う自分の道を見つけたんじゃないかと思います。実際、僕はこの作品の方がずっと好きになりましたし。
まあ、こじつけですし、深読みのしすぎだと思いますけどね。

好き度:★★★★★

天美
天美

天美

【DATA】
蔵元:長州酒造株式会社(山口県下関市)
造り:純米吟醸 うすにごり 生原酒
原料米:山田錦
精米歩合:60%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
製造年月:2023年2月
酵母:協会901号

 

後日追記:
トップ写真を、桃天さんの瓶とグラスを花瓶にして、スプレーマムというお花を生けた写真に変更しました。こちらは、VTuber・おコメちゃんが毎月やっている日本酒×生け花企画「酒月華ぷろじぇくと」に投稿した写真です。ツイッターで #酒月華ぷろじぇくと で検索すると、他の方の素敵な作品もたくさん見られますよ。
ちなみに、桃天さんの瓶はリューターという工具で切ったのですが、本来は水を掛けながら切らなきゃいけないところを横着してそのまま切ったから、きれいに切れなかったし、実は上の方までヒビが入ってます。裏面はこんな感じ。スポンジで茎の角度を固定しています。

 

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