【日の丸 HYPER DRY 特別純米】
酸アルの HYPER DRY 超辛口
はじめましてのお酒、日の丸さん。秋田県横手市・日の丸醸造さんのお酒です。
日の丸醸造さんと言えば、通常銘柄は「まんさくの花」。これまで「日の丸」という銘柄があったわけでもなさそうです。でもなぜ新しい銘柄名で発売したのかと言えば、このお酒が試験醸造で、他のお酒とは全く違う味わいだから。それが証拠に公式サイトにも、注意マーク「⚠」とともに目立つように『このお酒は試験醸造酒のため「まんさくの花」とは味もコンセプトも異なることをご理解下さい』と書いてあります。
ちなみに僕もいま知ったんですが、⚠は「きけん」で変換できます。
このお酒は、HYPER DRYという名の通り、日本酒度+25の超辛口。日本酒度の最高値は、おないだ飲んだ山法師 爆雷の+28ですが、+25というのも恐ろしく高い値。公式サイトによると、日本酒度+28前後まで持っていく余地はあったそうです。でもそこまで上げると、酵母が自分の作ったアルコールにやられて死んじゃって苦味が爆増するから、あえて+25で止めたんだとか。単に数値を上げたわけじゃなくて、味にもこだわったということですね。
さあ、どんな味わいなんでしょう。恐るおそる飲んでいきます。
香りはくっきり米旨アル。お? 甘さは確かに全くなさそうだけど、思ったよりきれいな感じです。硬派。
口に含むと、ほの酸苦。乳酸酸味がぽわっとふくらみ、追って旨苦渋味がじわり。そして強アルずしんと響きます。
当然のように甘味は全くありません。アルコール度数も高い。でも意外に荒々しくはないですね。その代わり、酸苦がくっきりしています。
僕は酸中心のお酒はあんまり得意じゃないんですが、この子、酸とクラシック辛口が好きな人には響くんじゃないかな?
難しかったのはアテ。本命だと思ってたベビーホタテにもコハダの漬けにも何か合いません。揚げパン+カレーにもあんまり。お酒の苦味がジャマしちゃってるっぽい。
合わせるなら、脂のたっぷり乗った大トロとかかな。脂で苦味を包みつつ、お米の旨さを引き出すことを期待します。
ジブリで例えると「風立ちぬ」の、ユンカース社にいるドイツ人。日本から来た客人であるはずの二郎や本庄達に対して、にべもないつっけんどんな対応をします。甘さなんてどこにもない。
好き度:★★★
岡田斗司夫解説のあとに、「風立ちぬ」を観たが、戦前の超絶インテリ堀越二郎は、文字と写真と東大だからドイツ人講師の知識のうえでのドイツから生のドイツに降り立って、「全然想像と違う、というより、人の仕事と生活があるだけ、日本と同じじゃねえか」と衝撃を受けたと思うなあ。 pic.twitter.com/qSF02s2Y72
— フル・フロンタモツ (@sduFWaAD6sNJETj) 2022年11月12日
【DATA】
蔵元:日の丸醸造株式会社(秋田県横手市)
造り:特別純米 一度火入れ 原酒
原料米:秋田酒こまち
精米歩合:55%
アルコール度数:18% ・・・ 高い
日本酒度:+25 ・・・ 激辛
酸度:1.7 ・・・ 高め
アミノ酸度:1.5 ・・・ 普通
酵母:協会9号酵母
製造年月:2024年2月
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