こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

甲子 > おかみさん(天空の城ラピュタ)[ジブリ酒]

甲子きのえね 純米吟醸 潤実 うるみ

酸中心 しっかりなのに なめらかに

甲子

甲子
甲子
甲子
甲子

お久しぶりの甲子さん。千葉県印旛郡酒々井町・飯沼本家さんの秋酒です。
知らなきゃ読めない甲子さん。銘柄の由来を再掲しておきます。

甲子というのは、60年を1周期とする十干十二支じっかんじゅうにしという年の数え方のうちのひとつです。十二支は馴染みがありますよね。子・丑・寅・卯・辰・巳、、、ってやつ。
十干は、中国の五行思想を基にした考え方。木・火・土・金・水にそれぞれ兄・弟がかけあわされた10種類があります。木兄きのえ=甲、木弟きのと=乙、火兄ひのえ=丙、火弟ひのと=丁、土兄つちのえ=戊、土弟つちのと=己、、、。そう、契約などでよく使われる「甲は乙に対し云々・・・」の「甲・乙・丙・丁、、、」ってここからきてたんですね。

十干十二支はその十干と十二支の掛け合わせ。きのえだから甲子きのえねです。十二支が毎年ひとつ進むように、十干も毎年ひとつ進みます。甲子→乙丑きのとうし丙寅ひのえとらとなるわけですね。
そして例えば、歴史で習った戊辰戦争は、つちのえの年とたつ年が組み合わさった戊辰(つちのえたつ=ぼしん)の年(1868年)に起こったから戊辰戦争なんです。ちなみにその60年前の1808年も同じく戊辰の年。
10×12なら120通りありそうなものですが、両方とも1年にひとつ進み、両方とも偶数なので、絶対に現れない組合せもでてきます。甲丑きのえうしとかは何年経っても絶対に出てこないわけです。だから60年でひとまわり。ちなみに年齢で言う「還暦」も、十干十二支がひと回りして暦が還ってくるという意味ですね。

他にも、甲子園球場は甲子の年(きのえね=こうし、1924年)にできたことが由来ですし、壬申の乱 (みずのえさる=じんしん、672年) とか庚午年籍(かのえうま=こうご、670年)とか中国で中華民国が成立した辛亥革命(かのとい=しんがい、1911年)とかも十干十二支が由来。十干十二支は中国が発祥だから、中国でも使ってるんですよね。

今回のお酒・甲子は、「十干十二支の一番目にあたる甲子の日(年)にはじめたことは、良い運気や流れを持ち続け発展していく」と考えられてたことに由来します。

こちらは、秋酒と言ってもひやおろしとかではなく、前の年に造ったお酒を、生酒のまま蔵内で約1年ほど氷温熟成させたんだそう。氷温熟成も好きなんですよね。氷温だと熟成感はそんなに出ないけど、アルコールのカドが取れてまろやかになることが多いです。
それを期待して、飲んでいきましょう。

上立ち香、やさしくほわっとコク旨苦。

口当たり、するりと入って酸甘苦。しっかり乳酸とやさしいシロップ甘とコク苦味。後半は旨味も出てきてバランスよくほわわ。酸が中心だけど、やわらかくてなめらかな酸味。そして後味もやさしく、苦じわん。

うーん、僕は酸味が苦手なんです。苦味もそれほど得意じゃない。でもなんで? このお酒、めちゃくちゃ美味しいです。かなりしっかりしてるのに、やさしい。氷温熟成の効果がばっちり出ています。

雪冷え(5℃)も美味しかったけど、少し温度が上がった方が香りも味も開いてさらに良いですね。


アテは、旨塩に合わせたいですね。引き続いてザーサイ&ローストビーフがめちゃくちゃ合いました。肉の旨味で、お酒の酸が華やかになります。

ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」のおかみさん。かなりしっかりしてるのに、めっちゃやさしいです。

好き度:★★★★☆

甲子

甲子
甲子

【DATA】
蔵元:株式会社 飯沼本家(千葉県印旛郡酒々井町)
造り:純米 生酒
原料米:千葉県産 五百万石
精米歩合:68%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:+4.5 ・・・ 辛口
酸度:2.4 ・・・ 高い
酵母:協会1801号+協会1501号
製造年月:2024年8月

 

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