【甲子 純米吟醸 潤実 】
酸中心 しっかりなのに なめらかに
お久しぶりの甲子さん。千葉県印旛郡酒々井町・飯沼本家さんの秋酒です。
知らなきゃ読めない甲子さん。銘柄の由来を再掲しておきます。
甲子というのは、60年を1周期とする
十干は、中国の五行思想を基にした考え方。木・火・土・金・水にそれぞれ兄・弟がかけあわされた10種類があります。
十干十二支はその十干と十二支の掛け合わせ。
そして例えば、歴史で習った戊辰戦争は、
10×12なら120通りありそうなものですが、両方とも1年にひとつ進み、両方とも偶数なので、絶対に現れない組合せもでてきます。
他にも、甲子園球場は甲子の年(きのえね=こうし、1924年)にできたことが由来ですし、壬申の乱 (みずのえさる=じんしん、672年) とか庚午年籍(かのえうま=こうご、670年)とか中国で中華民国が成立した辛亥革命(かのとい=しんがい、1911年)とかも十干十二支が由来。十干十二支は中国が発祥だから、中国でも使ってるんですよね。
今回のお酒・甲子は、「十干十二支の一番目にあたる甲子の日(年)にはじめたことは、良い運気や流れを持ち続け発展していく」と考えられてたことに由来します。
こちらは、秋酒と言ってもひやおろしとかではなく、前の年に造ったお酒を、生酒のまま蔵内で約1年ほど氷温熟成させたんだそう。氷温熟成も好きなんですよね。氷温だと熟成感はそんなに出ないけど、アルコールのカドが取れてまろやかになることが多いです。
それを期待して、飲んでいきましょう。
上立ち香、やさしくほわっとコク旨苦。
口当たり、するりと入って酸甘苦。しっかり乳酸とやさしいシロップ甘とコク苦味。後半は旨味も出てきてバランスよくほわわ。酸が中心だけど、やわらかくてなめらかな酸味。そして後味もやさしく、苦じわん。
うーん、僕は酸味が苦手なんです。苦味もそれほど得意じゃない。でもなんで? このお酒、めちゃくちゃ美味しいです。かなりしっかりしてるのに、やさしい。氷温熟成の効果がばっちり出ています。
雪冷え(5℃)も美味しかったけど、少し温度が上がった方が香りも味も開いてさらに良いですね。
アテは、旨塩に合わせたいですね。引き続いてザーサイ&ローストビーフがめちゃくちゃ合いました。肉の旨味で、お酒の酸が華やかになります。
ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」のおかみさん。かなりしっかりしてるのに、めっちゃやさしいです。
好き度:★★★★☆
ラピュタのおかみさんの声って鷲尾真知子さんやったんや∑(⊙⊙)?!
— アーニャ (@Anya_mekata) 2024年8月30日
トトロの先生もなんやな....全然知らんかった。
てかおかみさん20歳なんや....
20歳であの貫禄と肝の座り具合すごい。 pic.twitter.com/GHBDPZnq3w
【DATA】
蔵元:株式会社 飯沼本家(千葉県印旛郡酒々井町)
造り:純米 生酒
原料米:千葉県産 五百万石
精米歩合:68%
アルコール度数:16% ・・・ 高め
日本酒度:+4.5 ・・・ 辛口
酸度:2.4 ・・・ 高い
酵母:協会1801号+協会1501号
製造年月:2024年8月
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