【仁喜多津 伊予の薄墨桜】
酸旨が ちょっと置いたら おだやかに
はじめましてのお酒、愛媛県松山市・水口酒造の仁喜多津さんです。道後温泉にあるお蔵さん。日本酒の他に、道後ビール、道後エール、道後焼酎、道後ジン、道後リモンチェッロ、道後梅酒ソーダ、道後サイダー、道後あまざけ、道後ビールカレー、道後ビールビーフシチューなどいろいろなものを作られています。
愛媛県のお酒って、あんまり出会いませんね。僕がこれまで飲んだのも、梅錦・伊予賀儀屋・石鎚・川亀・媛一会だけ。・・・あ、思ったより飲んでた。
銘柄名の語源は、ググったらコトバンクに出てました。「酒名は、伊予・道後の古称「熟田津(にきたつ)」にちなみ、「仁愛」と「喜び多き」の字を当てて命名」だそうです。素敵ですね。
薄墨桜というのは、松山の西法寺にある名桜の名前。水口酒造の公式サイトによると「天平の昔、天武天皇が道後温泉にお留まりの時に、皇后の病気が伊予の西法寺の祈祷により回復し、お喜びになった天皇より、薄墨の手紙とともに一本の桜を賜ったという伝説」に由来するんだそうです。凄い! 天武天皇って、あの壬申の乱の天武天皇ですよね。1300年以上前ですよ! って、あれ? 天平と言えば奈良時代。調べてみると西暦729~749年。天武天皇は西暦686年没なので、結構開きがありますね。たぶん天平は間違いでしょう。むしろ、その頃から温泉があったのか!
脱線してさらに調べると、道後温泉は日本最古と言われる温泉で、3000年の歴史があるらしいです。もちろん歴史書なんてない時代ですが、ここから3000年前の縄文中期の土器が出土しているのだとか。史実としても、聖徳太子が道後温泉で療養したことが「伊予国風土記逸文」に記されているそうです。想像以上に歴史があった!
ちなみに、ラベルに描いてある桜はピンクで花びらが5枚のよく見るやつですが、実際の薄墨桜は八重桜みたいです。色はほとんどまっ白。西法寺の公式サイトに写真が載っていますが、めっちゃきれいでした。
例によって前置きがだいぶ長くなりました。それでは飲んでいきましょう。
香りは、ほの酸 じわ旨 クラシック。乳酸&かぼすの酸と、お米&わずかに穀物の旨。そしてふんわりアルコール。
口に含むと、柑橘乳酸を中心に、ふわ旨甘。そこから旨味がじわじわり。酸旨クラシックですね。お酒を飲んでるーって感じがします。これは食事に合わせたい。
この子、ちょっと置いたら味わい変わりそうな気がしたので、初日は味見だけにしました。
そして開栓から3日目。
おっ!!
旨味が少しおだやかになって、クラシックだったのがなぜかモダン寄りになりました。酸味中心なのは変わらないけど、それもやわらかくなって、かわいい。
良いですね。初日より、もっと好きです。
ジブリで例えると「風立ちぬ」の加代ちゃん。主人公・二郎の妹です。最初に登場した時は子供で、お兄ちゃんのことが好きなんだけど、どこか不機嫌な和服クラシック。それが大人になって二郎が結婚後に登場した時は、服はモダンだし、かわいくなってるし、あの時代に女性で医学部に入るくらい優秀です。
好き度:★★★★
#朝のいもうと
— ひろが。 (@hiro_ga) 2018年12月14日
(風立ちぬ : 堀越加代) pic.twitter.com/p3gmTtrcWh
【DATA】
蔵元:水口酒造株式会社(愛媛県松山市)
造り:純米酒
原料米:愛媛県産
精米歩合:70%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:+3 ・・・ ちょい辛
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