【仁勇 うの酒】
鰻用 しっかり旨味の クラシック
はじめましてのお酒、千葉県成田市・鍋店(株)さんの仁勇です。でも、鍋店さんと言えば、2020年に飲んで美味しかったお酒第1位になった不動のお蔵さん。
そして、このお酒そのものではありませんが、仁勇の純米酒は、国際的なお酒のコンペティション・IWC(インターナショナルワインチャレンジ)2023で、小売価格1200円以下から選出されるグレートバリューチャンピオンサケを受賞しています。これは期待が高まる!
ちなみに「不動」は 日本酒が持つ「米」「醸造」から生まれる味わいをより楽しんでもらいたいとの思いから生まれたブランド。
一方の「仁勇」は、日本の食文化の担い手である日本酒の王道を歩みつつ、より個性的で味わい深く、飲み飽きのしない製品を目指したんだそうです。
うん、よくわかりません。不動がモダンで仁勇がクラシックってことかな? ご存知の方、教えてください。
で、今回のお酒は、見るからに鰻専用のお酒です。
お蔵さんがある成田市は、江戸時代から鰻が名物。成田山新勝寺へ参拝する観光客に、印旛沼で獲れた鰻を提供していたんだそうです。そう言えば僕も、かなり前に成田に出張したとき、先方さんに鰻をごちそうになりました。タダで食べる鰻はめちゃくちゃ美味しかった。
このお酒はたぶん、土用の丑の日に合わせて発売されたものでしょうね。でも今年の土用の丑の日は7月30日で、とっくに終わってます。まあ土用に鰻を食べるという風習なんて平賀源内が勝手に言い出したことなので、あまり気にしません。
どんなお酒かは全然知らないんですが、鰻に合うということなので、たぶん旨味しっかりクラシックなんじゃないかと予想します。それでは、飲んでいきましょう。
色は、ほんのかすかに黄色が入ってます。
香りはおとなしく、やさしくツンとしたアルコールとお米の旨さ。やっぱりクラシックですね。アルコールは感じるものの、嫌な感じはありません。
口当たりは、とろんと甘酸旨。おだやかだけどくっきりです。でも次の瞬間、乳酸のしっかり酸味がぽわっと現れ、次いで力強い旨味がぐいぐい! おお、力強い!
予想より酸味が強いけど、やっぱり、しっかり旨味のクラシックですね。単品で飲み続けるお酒じゃなくて、しっかりした味付けの料理に合わせたいです。
アテには当然、鰻を用意しました。蒲焼きと、う巻きと、うざく。う巻きとうざくは自作です。
う巻きは、形はちょっとイマイチだけど、出汁がしっかり効いてて鰻に負けていません。うんま! 蒲焼きとう巻きでは、酒質がやわらかくやさしくなったように感じます。そしてお酒の旨味がふわああああっと飛んで消えていく。うんまあああ。
うざくは、酢の爽やかさとうなぎのこってりさがちょうどよく中和されてますね。 お酒を合わせると、酢で引き出されたお酒の甘味が加わります。こりゃ、ほんとに鰻に合いますね。
温度帯は、雪冷え(5℃)でも良いけど、常温くらいの方が、まろやかさと蜜の甘味がより感じられて好き。これは燗にも良さそう。というわけで、やってみました。60℃くらいのとびきり燗まで上げると、苦味を感じにくくなる分、味わいがすっきりします。甘味も減るけど、蜜の香りがより立って、逆に甘く感じるのが面白い。燗映えしています。
ただ、45℃上燗~35℃人肌燗くらいに下がってくると、悪くはないけど、中途半端な感じ。温度高い方が好きです。
ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」の軽便鉄道の機関士さん。海賊と軍から逃げるシータとパズーを助けてくれる人です。海賊にも軍にもひるまない気骨のある豪気なおっさん。
好き度:★★★★
ラピュタ見るたびに大好きな機関士のおじさんの行く末が気になって仕方ないんだ。大丈夫だろうか……。#ジブリ #金曜ロードショー pic.twitter.com/p7B6J2f4Te
— そみー* (@INFRa2rnaLzWt9t) 2022年8月12日
【DATA】
蔵元:鍋店株式会社(千葉県成田市)
造り:純米酒
原料米:秋田県産 美山錦、他
精米歩合:65%
アルコール度数:15% ・・・ 普通
日本酒度:+2 ・・・ ちょい辛
酸度:1.5 ・・・ 普通
製造年月:2023年5月
ちなみに鰻に合うお酒と言えば、西の関さんもあります。こちらは、日本名門酒会が毎年開催している「プロが選んだ鰻に合う日本酒」で、第1回の2006年から2017年まで12年連続ナンバーワンを受賞! 殿堂入りまでしている凄いお酒。こちらは鰻と合わせられなかったから、いつかリベンジしたいですね。
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