【豊永蔵 麦汁 超にごり限定酒】
香ばしい 麦の香りが ほわあああ
今日は焼酎回。去年も飲んだ、めっちゃ香る麦焼酎・麦汁さんの超にごりです。今年の分が入荷したので、早速いただきます。
そもそもこの麦汁さん、普通のやつでも麦チョコの中身みたいな香ばしいお酒でめちゃくちゃ美味しいんですよね。兼八・佐藤 麦・麦冠情け嶋などと並ぶ、香ばしい系麦焼酎です。そして超にごりはその無濾過・にごりバージョン。
ここで言う無濾過・にごりって、日本酒の場合とは違う意味なんです。日本酒では無濾過・にごりって普通に見かけますが、焼酎ではかなり珍しい。
日本酒の無濾過は、フィルターや活性炭で、雑味の元となる成分や滓・酵素・乳酸菌などを除去することを言います。また、にごりは、
一方焼酎の場合、そもそも絞るという工程がありません。焼酎は、原材料をアルコール発酵させた後で、熱をかけて蒸発させ、蒸留します。このとき、アルコールと一緒にフーゼル油という油成分も一緒に蒸発して、蒸留されたお酒に入るんですね。フーゼル油は雑味のもとになったりするので、それを珪藻土などの濾過剤に吸着させてフィルターで濾しとるのが焼酎の濾過です。
ただ、このフーゼル油の近辺には風味成分も含まれるので、それをできるだけ残すためにフィルターにかけないのが無濾過。無濾過の場合は濾過剤は使いませんが、タンクの上部に浮いてきた油膜をすくって少しずつ除去します。この油取り作業がとても大変なんだそう。
さらに、にごりは、その油取り作業すら行わない、つまり、フーゼル油が残ったままのお酒ということです。雑味大丈夫かな?って思っちゃいますよね。
ちなみに今年の麦汁さんは、去年と酵母が変わっています。去年はウイスキー酵母で、今年がラム酵母。どういう影響があるのかは想像もつきません。
しかも今回は、去年のやつがほんの少しだけ残っていたので、酵母違いの飲み比べです。なにそれめっちゃ面白い!!
それでは飲んでいきましょう。まずは去年のウイスキー酵母から。
色はほとんど透明です。
瓶の下に少しだけ残った最後の数杯だから、にごり成分はもう出ちゃったみたいですね。
香りは豊かな麦の香ばしさがぽわわわあ。めっちゃ好き!! 去年はちょっとケモノ油っぽさもあったけど、それもなくなっています。やっぱりフーゼル油がもう入ってないのかな。
口に含むととろりんと、麦のやさしい甘ほわん。麦チョコの中身みたいな香ばしさ。そこからやわらかアルコール、じわわんと広がりつつ、豊かな麦の含み香ほわああああ。うっまああああ。1年経ってカドが取れて味わいが丸くなってますね。めちゃくちゃ美味しい!
次は、今年のラム酵母の方も飲んでみます。
お! さっきの香ばしさに、重量感のある旨みが加わってずしん。おお、濃い! そして美味しそう!
色は明らかに濁っています。去年より濃い感じ。まあ、日本酒のにごりとは全く違って、ほんのり銀色が入った透明なんですけどね。日本酒で言うかすみ酒くらい。
口に含むと、麦の甘味に加えてオイリーな旨味も少し強いです。ウイスキー酵母よりもコクがありますね。そこから広がるアルコール感は、しっかり固く、ぐぐぐっと。こちらの方がフレッシュです。かすかに下にピリピリ感もある。そして嫌なクセは全くありません。うっまあああ!
比べると、「今しか味わえない衝撃的な旬の味わい」はラム酵母の方ですね。でも、1年経ってやわらかくなったウイスキー酵母の方も、ある意味「1年置いた今しか味わえない」味わいです。どっちもめっちゃ好き!
ジブリで例えると「シュナの旅」の主人公シュナ。「シュナの旅」は、宮崎駿監督が1983年6月に上梓した、文庫サイズのフルカラー絵物語です。ナウシカの映画公開が1984年、漫画版の第1話発表がアニメージュ1982年2月号ですから、制作期間はほぼかぶってますね。とある小国の王子シュナが、民を飢えから救うため、麦を求めて旅をするという物語。この物語のイメージは、直接ナウシカ(特にコミック版)につながっていますし、もののけ姫に出てきたヤックルも初出はこの作品です。
この作品の中で、麦って豊かな実りをもたらす特別な作物なんです。麦汁さんの豊かな麦の香りにぴったり!
好き度:★★★★☆
鈴木敏夫プロデューサーが語る『シュナの旅』 宮﨑駿監督が描いた絵物語https://t.co/EJRmSAu3HRpic.twitter.com/QHZLVbD4mI
— ジブリのせかい【非公式ファンサイト】 (@ghibli_world) 2023年10月7日
【DATA】
蔵元:合名会社 豊永酒造(熊本県球磨郡)
造り:本格焼酎(麦) 無調整 無濾過
アルコール度数:25% ・・・ 普通
酵母:ウイスキー酵母/ラム酵母
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