こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

みむろ杉 > マーニー(思い出のマーニー)[ジブリ酒]

【みむろ杉 純米大吟醸 十周年感謝酒】

フルーティー 色っぽいのに 上品で

みむろ杉

みむろ杉
みむろ杉
みむろ杉

こないだ夏純を飲んだばかりの みむろ杉さん。奈良県桜井市・今西酒造さんのお酒です。

実は先日、橿原に用事があって、そのついでに今西酒造さんに伺い、日本最古の神社にして酒造りの聖地・大神(おおみわ)神社に参拝してきたんです。まあ、日本最古の神社と言われているのは、他にも三重県熊野市の花の(いわや)神社・兵庫県淡路島の伊弉諾(いざなぎ)神宮・福岡県宗像市宗像大社などいくつかあるんですけどね。とは言え、大神神社はやっぱり素晴らしい神社でした。

写真左は、大神神社の大鳥居とご神体の三輪山。鳥居の足元の幟を見ると、鳥居の巨大さがわかります。めちゃくちゃデカい! 写真右は、今西酒造さんの直営店で食べた日本酒アイス。やさしくて美味しかった。

そして、直営店で買ってきたのが、今回の十周年感謝酒です。
西酒造さんは1660年(万治3年)創業の超老舗。代表銘柄の「三諸杉」は360年以上造られています。現在の社長は、14代目になる今西将之さん。

今西将之さんは、酒蔵の子として生まれ、幼いころから酒蔵を継ぐと決めていたそうです。でも、業界の外のことも知らなければいけないと、同志社大学商学部に進学。そしてリクルートに就職します。リクルートでは全社トップの営業成績を取るほど活躍されますが、元々30歳になったら蔵に戻ろうと決めていました。しかし、28歳のときに、先代社長のお父様が急逝されてしまいます。

そうして急遽酒蔵を継いだ将之さんですが、実家の事業は実は大赤字。蔵の設備はぼろぼろで、2人いた蔵人も消極的、お酒も美味しくなかったそう。しかも将之さんは酒造りの素人です。そこから酒造りを勉強し、設備を入れ替え、新しい人を雇い、酒蔵の再建に奔走。そうして、新ブランドとして立ち上げたのが「みむろ杉」です。今でこそ、みむろ杉は超人気銘柄ですが、ここまでくるには、とてつもない苦労があったはず。そんな想いの詰まった十周年感謝酒です。こちらも心していただきます。

上立ち香、リンゴと梨と桃フルーティー。奥にわずかにお米の旨さ。あああ、美しい。これはもう間違いない。フルーティーで色っぽいのに上品です。

口に含むと甘酸味。やさしくピリピリ微炭酸。桃とシャインマスカットのフルーティーな甘酸が、ジューシーじゅわっと広がって、きれいな甘渋後味残し、ふわっとすっきり消えていく。その後味もいつの間にか溶けていくけど、リンゴの甘い余韻だけが長く残ります。あああ、美味しい。素晴らしいお酒です。比較するのは失礼だと思いつつ、昨年の僕の年間1位だった、藤岡杜氏の天美さんを思い出しました。

2日目になると、いきなりめっちゃ味が開きました! 酸甘フルーティーが格段に鮮やかになっています。ネーブルオレンジ蜜リンゴ。めっちゃ華やか!

ちびちび飲みつつ6日目になると、味わいは落ち着いてきて、リンゴフルーティー。ただ、わずか脂肪臭が出てるように思います。キンキンに冷やすとそれほど気にならないけど、飲むのは早めが良さそうです。かなり繊細なお酒という印象。僕は初日がいちばん好きでした。でもここは好みの分かれるところかもしれません。

ネギゴマ焼きそうめん
みむろ杉さんに合わせたアテは、同じ三輪で買ってきた三輪そうめんで作る「ネギの甘さが薫る! ネギゴマ焼きそうめん」です。シンプルな旨塩味でそうめんの味が引き立ち、ネギの甘味とゴマの風味がほわわわわ。その味わいと風味が、お酒の甘旨味をふわっと引き立ててくれます。うまあああ。


ジブリで例えると「思い出のマーニー」のマーニー。ジブリにはたくさんの魅力的なキャラクターが登場しますが、美しさではマーニーがいちばんだと思うんです。透明感のある澄んだ美しさとかわいらしさが、神々しさすらあります。

好き度:★★★★★(初日)→★★★★☆(2日目以降)
できるだけ早めに飲むのをおすすめします。

みむろ杉

みむろ杉
みむろ杉

【DATA】
蔵元:今西酒造株式会社(奈良県桜井市)
造り:純米 原酒
精米歩合:65%
アルコール度数:14% ・・・ 低め
製造年月:2024年5月

 

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