【みむろ杉 純米大吟醸 十周年感謝酒】
フルーティー 色っぽいのに 上品で
こないだ夏純を飲んだばかりの みむろ杉さん。奈良県桜井市・今西酒造さんのお酒です。
実は先日、橿原に用事があって、そのついでに今西酒造さんに伺い、日本最古の神社にして酒造りの聖地・
写真左は、大神神社の大鳥居とご神体の三輪山。鳥居の足元の幟を見ると、鳥居の巨大さがわかります。めちゃくちゃデカい! 写真右は、今西酒造さんの直営店で食べた日本酒アイス。やさしくて美味しかった。
そして、直営店で買ってきたのが、今回の十周年感謝酒です。
今西酒造さんは1660年(万治3年)創業の超老舗。代表銘柄の「三諸杉」は360年以上造られています。現在の社長は、14代目になる今西将之さん。
今西将之さんは、酒蔵の子として生まれ、幼いころから酒蔵を継ぐと決めていたそうです。でも、業界の外のことも知らなければいけないと、同志社大学の商学部に進学。そしてリクルートに就職します。リクルートでは全社トップの営業成績を取るほど活躍されますが、元々30歳になったら蔵に戻ろうと決めていました。しかし、28歳のときに、先代社長のお父様が急逝されてしまいます。
そうして急遽酒蔵を継いだ将之さんですが、実家の事業は実は大赤字。蔵の設備はぼろぼろで、2人いた蔵人も消極的、お酒も美味しくなかったそう。しかも将之さんは酒造りの素人です。そこから酒造りを勉強し、設備を入れ替え、新しい人を雇い、酒蔵の再建に奔走。そうして、新ブランドとして立ち上げたのが「みむろ杉」です。今でこそ、みむろ杉は超人気銘柄ですが、ここまでくるには、とてつもない苦労があったはず。そんな想いの詰まった十周年感謝酒です。こちらも心していただきます。
上立ち香、リンゴと梨と桃フルーティー。奥にわずかにお米の旨さ。あああ、美しい。これはもう間違いない。フルーティーで色っぽいのに上品です。
口に含むと甘酸味。やさしくピリピリ微炭酸。桃とシャインマスカットのフルーティーな甘酸が、ジューシーじゅわっと広がって、きれいな甘渋後味残し、ふわっとすっきり消えていく。その後味もいつの間にか溶けていくけど、リンゴの甘い余韻だけが長く残ります。あああ、美味しい。素晴らしいお酒です。比較するのは失礼だと思いつつ、昨年の僕の年間1位だった、藤岡杜氏の天美さんを思い出しました。
2日目になると、いきなりめっちゃ味が開きました! 酸甘フルーティーが格段に鮮やかになっています。ネーブルオレンジ蜜リンゴ。めっちゃ華やか!
ちびちび飲みつつ6日目になると、味わいは落ち着いてきて、リンゴフルーティー。ただ、わずか脂肪臭が出てるように思います。キンキンに冷やすとそれほど気にならないけど、飲むのは早めが良さそうです。かなり繊細なお酒という印象。僕は初日がいちばん好きでした。でもここは好みの分かれるところかもしれません。
みむろ杉さんに合わせたアテは、同じ三輪で買ってきた三輪そうめんで作る「ネギの甘さが薫る! ネギゴマ焼きそうめん」です。シンプルな旨塩味でそうめんの味が引き立ち、ネギの甘味とゴマの風味がほわわわわ。その味わいと風味が、お酒の甘旨味をふわっと引き立ててくれます。うまあああ。
ジブリで例えると「思い出のマーニー」のマーニー。ジブリにはたくさんの魅力的なキャラクターが登場しますが、美しさではマーニーがいちばんだと思うんです。透明感のある澄んだ美しさとかわいらしさが、神々しさすらあります。
好き度:★★★★★(初日)→★★★★☆(2日目以降)
できるだけ早めに飲むのをおすすめします。
マーニー pic.twitter.com/N7hDDcZgZF
— サッサ (@sassa_tori) 2024年3月19日
【DATA】
蔵元:今西酒造株式会社(奈良県桜井市)
造り:純米 原酒
精米歩合:65%
アルコール度数:14% ・・・ 低め
製造年月:2024年5月
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