【紀土 無量山 純米吟醸】(きっど むりょうざん)
凛としたアル甘酸
SAKEdatabankさんのキャンペーンでいただいたお酒。「紀土 無量山 純米」に続いて、いよいよ純米吟醸です。
こちらは世界最大級の品評会、IWC・インターナショナルワインチャレンジの2020年SAKE部門最優秀賞「チャンピオン・サケ」に輝いた、世界一のお酒。今年のIWC2021でも、ゴールドメダルの中で特に優れたお酒に与えられる「トロフィー」を受賞しました。ちなみに今年のチャンピオン・サケはまだ決まってなくて、6/30に決まる予定です。2連覇なるか!?
こちらもVINTAGE2018で製造年月は2021年4月。平和酒造さんに問い合わせしてみたところ、お返事をいただけました。2018年に製造・瓶詰めしたものを、マイナス1~2℃の蔵元さんの冷蔵庫で保管して、2021年4月に出荷したんだそうです。
純米と同じように、まずは常温で味見、その後は冷酒でいただきました。こちらもやっぱり、キンキンに冷やすくらいが良いですね。ちなみに今回は、さすがにハズれそうだったので、燗にはしませんでした。
色は、純米と同じできれいに澄んで、ほんのわずかに黄色。
香りは、青いバナナ&メロンのフルーティーと、くっきりフレッシュアルコールの刺激。刺激のあるアルコールって、大抵はイマイチなお酒のサインなんです。でもこれは、刺激があるのに凄く上質な感じ。未体験の香りです。純米よりも甘さを感じますね。それにしても、2年以上熟成してるのにこんなにフレッシュ感あるなんて!
口に含むと、輪郭のくっきりした酸味と甘味とアルコール感。すごくはっきりとした味わいだけど、濃厚とはちょっと違う。味ではなく存在感が強い。凛としたたたずまいに背筋が伸びます。
後半は、アルコール中心の含み香が鼻に抜けつつ、ほのかな旨味の余韻がふわり。
めちゃくちゃ美味しいです。ただ、万人受けするお酒じゃないようにも思います。アルコールの刺激がそれなりにあるので、日本酒を飲み慣れていない方には向かないんじゃないかな。
これは、適切な肴と飲むことで美味しさがぐっと広がりそう。でもやってみたら、これがまた難しかったんです。
お刺身やあまり濃くない煮物だと、お酒に負けてしまいます。トロとかならいけるかなあ?
僕は、チーズはどんな日本酒にも合わせやすい万能選手だと思ってるんですが、あえなく敗退。
合うかと思って買ってきたわかさぎの佃煮やシメ鯖とも、お友達にはなれませんでした。いや、単体ではそれぞれ美味しいんです。でも、合わせてもそれが膨らまない。
比較的良かったのは、海苔の佃煮と鰤の照焼と生ハム。塩味がそれなりにあって旨味がしっかりなものとは仲良しな感じです。でも、マリアージュとまではいかないんですよよね。付き合う分には良いけど結婚はちょっとねって感じ。
難しいなあ。
もしかしてこれ、上級者向けのお酒なんでしょうか。上手くやればとてつもないことになりそうな予感があります。でも僕は全然その域には達していませんでした。それでもめちゃくちゃ美味しいんですけどね。
ちなみに普通の紀土は、もっとわかりやすく美味しいです。
ジブリで例えると「もののけ姫」のエボシ御前。美人だし、らい病患者の世話をするなど優しさも桁外れ。でも同時に、厳しさも大概です。大きな目的のためなら仲間だって見殺しにできる強さを持っています。本気で向かい合おうと思ったら、相応の実力と覚悟が必要です。
ちなみにエボシ様はこれまで4回登場してるんですが、そのお酒が、十四代、而今、而今、篠峯。いや、我ながら凄いラインナップ。
満足度:★★★★☆
ジブリの女傑キャラって数々いるが、個人的に「そりゃあみんなこの人に仕えたいと思うよ」と思わざるを得ないのが、「もののけ姫」のエボシ御前だよな。 pic.twitter.com/GPMNq2Yqxs
— SOW@新作出すよ (@sow_LIBRA11) 2020年1月20日
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