【大盃 MACHO 純米 山田錦80 生】
しっかりと 旨味きれいで 甘じゅわり
男マッチョ、女マッチョ、ゴリマッチョ、覆面マッチョ、男生マッチョを飲んできた大盃のマッチョさん。低精白→タンパク質が残る→タンパク質と言えばマッチョ、という謎理屈だけど、どれも美味しくて大好きなんです。
そんなマッチョシリーズから、今回は、酒米の王様・山田錦を使ったマッチョキングさんです。お店に入荷したのを見た時から「開栓したら絶対に飲むから残しておいてください」ってお願いしてました。めっちゃ楽しみ♪
そんなお酒なので、いつもの小グラスではなく通常サイズグラスでいただきます。
色はほのかに黄色。低精白で旨味が残ってるんでしょうね。
香りは、しっかりとしたお米の旨さと、きれいな酸甘。これはもう間違いない。大きめグラスが正解でした。
口に含むと、フレッシュなピチ炭酸と、柑橘の酸甘。そして旨味がしっかり膨らむのに、きれいで雑味がない。うっま!!!
最後にほのかにじゅわる甘味がセクシーです。
このキングさん、顔だけ見たら年寄りかと思うけど、体はパワフルかつ絞り込まれていて、バランスも良いですよ。凄い! こんな爺さん、惚れるわ!
そして、アテに絶対合うだろうと思って注文したじゃがバタが最高! こちらのお店のじゃがバタは、一見ふかしたじゃがいもにバターを乗せただけに見えるけど、違うんです。マッシュしたいもに厚切りベーコンを入れて、しっかり味付けした上に揚げてあります。
これにマッチョさんを合わせると、じゃがいものほっこりさとバターのコクとベーコンの旨味を、お酒の酸がまとめます。と思ったら甘味と旨味がぽわん。もう、幸せしかない!
スペックは、
造り:純米 生酒
原料米:山田錦
精米歩合:80% ・・・ 低精白
アルコール度数:15% ・・・ 普通
ジブリで例えると「カリオストロの城」のルパン。フレッシュさを失っていない、セクシーな中年。コミカルだけど、いろんな能力がどんでもなく高いです。
この作品、ルパンは、はっきり中年として描かれています。”おじさま”ですしね。そもそも、物語の骨組みが、若い頃のギラギラさを取り戻そうとする中年のお話しなんです。若い頃は無茶も贅沢もやり尽くして、それが楽しかった。でも、歳を取ってその頃の高揚感は失われてしまった。だから、かつて敗れたカリオストロ公国の謎に再び挑戦することで、かつての輝きを取り戻そうとするんです。ルパンの超人的な活躍や、搾りだしたような陽気なフレッシュや、芝居がかったカッコつけ方には、そういう背景があります。無茶しやがって。
でも、最後の最後に、中年としてのそれまでの積み重ねが出てきて、若さの象徴であるクラリスを抱しめてあげることができません。そこにあるのは、中年の悲しみとは少し違う、酸いも甘いも知っているからこそ出てくる人生のペーソスです。雑味やえぐ味ではない、旨味とある種の甘味。そしてルパンは、クラリスを陽の当たる場所に残し、自分は元の中年の世界に戻っていきます。
こんなことを感じられるようになったなんて、僕も歳を取ったなあ。そんな味わい深いお酒でした。
満足度:★★★★☆
ルパン三世カリオストロの城③
— きたさん@派遣事業の責任者※DM歓迎 (@kitasan0819) 2020年11月20日
この↑記事を読んだ後にこのシーンを観ると切なくなる。最後の次元の台詞『残ってもいいんだぜ?』がグッと胸にくる。
やっと中年になった私にはぐっっっとくるーーーーー!#ルパン三世カリオストロの城 pic.twitter.com/44tyKXiZML
元ツイートのリンクは切れてますが、こちらの文春オンラインの記事、とても良いです。
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