【众 山廃純米 火入原酒】
コクのある 旨苦ぼわん 熟成酒
こないだ飲んだ孝の司さんがめっちゃ美味しかった愛知県岡崎市・柴田酒造場さんの別銘柄・
一応「gin」とは書いてあるけど、これじゃギンだかジンだかわかりません。
今までにも難読銘柄はいっぱいありました。
「众」という字は、「衆」の略体。人が3人いるだけあって、「人が集まる」や「人の集団」という意味です。
生酛や山廃は、手間がかかるから「人の力をたくさん必要とする」と言う意味に解釈して众と名付けたのだそう。
孝の司さんはもの凄くやわらかかったから、そのやわらかさが众さんにもあるのかも注目ポイントですね。それでは飲んでいきましょう。
香りは、うわっ！熟成！！
かなりしっかり熟成の苦コクと、乳酸ほの蜜甘。
製造年月2023年5月だから半年ちょっとしか経ってないのに、めっちゃ熟成感があります。ひとつ前の5年熟成(?)の貴さんよりもずっと熟成っぽい。
口に含むとやっぱり熟成。甘旨酸苦の全部がぽわっとふくらみ、旨味と苦味がさらにぼわん。コクがだいぶ強いですが、
ここまで熟成してると、やわらかいかどうかなんてわかりません。
初日のアテは、サーモンクリームチーズと卯の花。サーモンクリチは、単体で食べると美味しいんだけど、正直あんまり合いません。1+1=0.8くらい。酒屋さんのサイトのスペックだけ見て選んだんですが、熟成感が予想外だった。でも、卯の花は合いました。
苦味が気になるので、ちょっと放置してみましょう。ちびちび様子を見ながら開栓1週間後。おっ！ だいぶ苦味が落ち着いてきました。それに蜜甘も出てきて、初日より明らかに美味しくなってる！ 良い甘旨熟成酒になりました。
さらに、燗にもしてみました。ぬる燗(40℃)くらいになると、甘味が立って苦味がさらに落ち着いて、良い感じです。温度をもっと上げると甘味も減ってすっきりになります。僕はぬる燗くらいが好きでした。
この日に合わせたアテは「しらたきサンマーメン」。簡単具沢山でお腹いっぱいになるのに、麺がしらたきだから罪悪感がありません。創味シャンタンを中心に味の決まっているスープとお酒を合わせると、スープのたっぷり旨味がお酒の旨味と反応して、めっちゃ複雑になります。楽しい！
ジブリで例えると「君たちはどう生きるか」の大伯父。明らかにかなり年を取っていて、最初は何者かよくわからないけど、途中からは優しさも見えてきます。
好き度：★★★★(開栓1週間後)
【DATA】
蔵元：合資会社 柴田酒造場(愛知県岡崎市)
造り：純米 山廃 原酒
原料米：兵庫県産 山田錦
精米歩合：70%
アルコール度数：17% ･･･ 高い
日本酒度：-4 ･･･ 甘口
酸度：1.9 ･･･ 高い
製造年月：2023年5月
ここから先は、「君たちはどう生きるか」に関する余談です。興味ない方は読み飛ばしてください。
余談①大オジの表記は、大叔父と書いてあるサイトがかなりたくさんあります。しかし「君たちはどう生きるか ガイドブック」では大伯父表記なので、ここではそれに従います。ちなみに伯父は親の兄、叔父は親の弟。大伯父なら祖父母の兄ですね。
余談②大伯父が付けている大きな玉がついてるネックレス、これどう見ても、ナウシカの大ババ様のやつの色違いですね。
余談③12月16日のNHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」では、大伯父は高畑勲監督がモデルだと言われていました。それをもって、大伯父のモデルは高畑勲監督だと断定した記事もたくさん見ました。でもそれはあくまで、鈴木敏夫さんとNHKプロデューサーの見方なんですよね。僕は、全てのキャラクターについてモデルは1人とは限らないと考えています。大伯父については、高畑勲監督もモデルのひとりなんでしょうが、明らかに宮崎駿監督自身が大きく入っているというのが僕の考察です。
その主な理由は13個の石。僕は、あの世界はスタジオジブリそのもので、映画では後継者のいないジブリの崩壊が描かれていると考えています。だとしたら、13個の石はこれまで積み上げてきた作品だとするのが自然。ジブリで宮崎駿監督が関わった作品数は、脚本だけ関わって監督はしていない「耳をすませば」「借りぐらしのアリエッティ」「コクリコ坂から」を合わせると13本。または、ジブリ以外の「未来少年コナン」「カリオストロの城」「風の谷のナウシカ」を含めると、宮崎駿監督が手掛けた長編映画の監督作品も13本になります(短編・TVシリーズは除きます)。でも、高畑勲監督ではどう数えても13にならないんですよね。
上記も含めた「君たちはどう生きるか」の感想考察は、以前まとめました。初見直後のものなので今とは違うところもありますが、よかったらご覧ください。
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