［ジブリ酒］土田＞おしら様(千と千尋の神隠し)

【土田（つちだ）研究醸造 Data15】

旨酸ボンッ！アテと合わせて大爆発

はじめましての土田さん。初めてが研究醸造というのも、ちょっと異端な気もしますが、ずっと気になってた銘柄なんですよね。

こちらは、土田酒造がアミノ酸に焦点を当てて造ったという1本。日本酒においてアミノ酸は、コクや旨味の基になります。でも、あんまりアミノ酸度が高いと雑味やえぐ味が出て飲みにくいと言われています。純米酒のアミノ酸度は、全国平均で1.43。大吟醸や鑑評会出品酒では1.0を切るのがあたりまえです。そんな中、今回のお酒は、試験醸造とはいえアミノ酸度4.0！！！ラベルに書いてあるサブタイトルは「アミノ酸のうまみ爆弾」。間違いなくド変態ですね。めっちゃ面白そう！

色はほんのり黄色
香り、なんだこれ？チーズの臭みと不思議な甘味と、旨どわぁ。こんなの初めて！

口に含むと、いきなり旨味と酸味がぼぼん！そこから旨味はさらに広がるし酸味も一歩も退かない。甘味もしっかりしてるんだけど、この旨味の前では存在感がかすんでます。
飲み込んだ後も、さらにダメ押しで旨味が広がる。ほんとクセが凄い。

すいません、正直に言います。このお酒、味には期待していませんでした。ぶっちゃけ、アミノ酸度が高いお酒はあんまり好みじゃないんですよね。でも好奇心に負けて注文したんです。
なのに、これが美味しい！！ほんとクセ凄いのに！まあ、僕はチーズだったらブルーチーズみたいなクセの強いのも大好きなんですけどね。

ただ、お酒単体で飲み続けるものじゃありません。食事と合わせることでさらに美味しくなるタイプ。今回合わせたのはおでんでした。椎茸とごぼう天。旨味たっぷりの椎茸と出汁とお酒のハーモニーがやっば！！両方の旨味が相乗効果で爆発します。混ぜるな(美味しすぎて)危険！

これはアミノ酸の効果が大きいんでしょうね。アミノ酸は、いろいろな種類を掛け合わせると相乗効果が起きて、旨味がさらに広がるんです。今回で言えば、椎茸のグアニル酸と出汁のイノシン酸&グルタミン酸、さらに日本酒のアミノ酸も加わって旨味が爆発したのだと思います。だからアミノ酸たっぷりの肉料理なんかにも合うはず。いろいろ試したくなりますね。

スペックは、
造り：純米生酛
原料米：非公開
精米歩合：90% ･･･高っ！ここまで高いのはめったにありません。今まで飲んだ中だと、新政の涅槃亀と茜孔雀、ドメーヌ･ソガ、スペインのお酒・SUGOI、、、意外にたくさんありました
アルコール度数：16% ･･･ちょい高め
日本酒度：マイナス4 ･･･甘口
酸度：3.5 ･･･やっぱり高いですね。
アミノ酸度：4.0 ･･･めちゃ高
酵母：無添加･･･蔵付き野生酵母が勝手に付いてくれるのに任せてるんですね

公式サイトには、他にも種麹とかグルコースとか仕込み水とか、普段目にしないようなものまで細かく書いてあります。さすが研究醸造！
それと、YouTubeの公式チャンネルにも、どういう造りをしたのかの解説動画があります。こちらもめっちゃ面白い！冒頭、土田社長が満面の笑みで「またまた日本酒界に問題提起を促すお酒を造ってしまいました」っておっしゃってて、「あ、この人、絶対ヤバい人や」と嬉しくなってしまいました。