こるね酒

原則毎日AM11時更新+α。日本酒好きのホルン吹きです。飲んだお酒を、ジブリ映画のキャラやシーンに例えながら紹介します。異論反論大歓迎。日本酒に詳しくない方でも、ジブリ作品に詳しくない方でも楽しんでいただけるように書いていきます。

[ジブリ酒]七本鎗 > 「なんと気持ちの良い~」(カリオストロの城)

七本鎗しちほんやり 純米 玉栄】

爽やか純米

七本槍

香りは爽やかな酸味と、旨味を予感させるコク。
口に含むと、すっと入ってきて、乳酸の酸味が爽やかに吹き抜けます。甘味と旨味は、ちゃんとあるけど控えめ。夏にぴったりの爽やかなお酒でした。

後半ちょっと温度が上がってきたら、純米らしい旨味が開いてきてこれも美味しい。
そんなに力強くはなくて爽やかなので、シンプルに塩コショウで味付けした肉なんかにとても合いそうです。焼き鳥にもばっちり。

ジブリで例えると「カリオストロの城」の台詞「なんと気持ちの良い連中だろう」。実際にはクセいっぱいの連中な気がしますが、この映画の中では爽やかでしたね。

満足度:★★★★

七本槍


2022.2.2修正:七本鎗さん、七本槍じゃなくて七本鎗だったんですね。失礼しました。修正しました。

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[ジブリ酒]大那 > フェラーリン(紅の豚)

【大那 夏越し純吟 仕込十九號 無濾過生詰】

甘辛日本酒

大那

香りは気持ちいいアルコールを中心に青草とバナナ。

口に含むと、ほんのりバナナの甘味の後に、柔らかいお米の旨味が広がります。そして余韻ふっくら。日本酒度+3なので、数値ではちょい辛口なんだけど、甘さも感じて美味しいです。

甘辛って、料理だとほんとに甘味と辛味があります。でも日本酒の辛口には「辛味」はないので、甘辛というとちょうどこんな感じになりますね。

ジブリで例えると「紅の豚」のフェラーリン。イタリア空軍で少佐をしているポルコの戦友です。軍にいるとは言え、「空の男」の爽やかさがありますね。少年の爽やかさではなく、中年の爽やかさ。性格も良さそうだし、ポルコを大事にする優しさもあります。そもそも第一次世界大戦の後、飛行機乗りはほとんどがクビになってしまいました。それなのに軍に残れたのですから、めっちゃ優秀なんでしょうね。

満足度:★★★★

 

comic-kingdom.jp

大那

 

 

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[ジブリ酒]若駒 > 南さん(耳をすませば)

【若駒 ひやおろし 雄町70 瓶火入れ無濾過原酒】

どっしり旨甘穀物系。

若駒

香りにコク。
口に含むと、低精白らしい穀物系のパンチの効いた旨味と甘味が特徴的。バナナとコクの含み香が良い感じです。後半に広がる苦味も良い。
若駒というけど若い感じはしませんね。でもエネルギッシュ。老いて益々盛ん。

ジブリで例えると「耳をすませば」の南さん。聖司君のお爺さんの音楽仲間で、口ひげ赤蝶ネクタイでタンバリン叩いてる人。歳はとってるけどおしゃれで、自分の好きなように生きている感じ。この作品のテーマは「好きなことをして生きる」ことだと思っているんですが、それを体現している大人のひとりです。
それにしてもこの人、名前があったんですね。今回調べて初めて知りました。ちなみに聖司君のお爺さんは西さんで、もうひとりの眼鏡かけてた人は北さんです。さらに、南さんの声は井上直久さん。「バロンのくれた物語」の背景画の人です。僕は井上さんの描く幻想的な風景が大好きで、画集「イバラード博物誌」を持ってますし、パソコンの壁紙にしていましたこともあります。

満足度:★★★★

 

若駒

 

 

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イバラード博物誌

イバラード博物誌

  • 作者:井上直久
  • 発売日: 2020/04/01
  • メディア: 単行本
 

 

[ジブリ酒]楽器正宗 > トシオ(おもひでぽろぽろ)

【楽器正宗 試験醸造 session 福乃香】

無濾過苦シュワ旨!

楽器正宗

一口目から、鮮やかな発泡感とともに苦味を感じます。日本酒の苦みは後半に現れることが多いように思いますが、最初から苦いのは面白いですね。爽やかで気持ちの良い苦味で、控えめにラムネのような甘味もあります。青竹、ハーブ、アルコールの含み香も良い感じ。洋食や中華などいろんな食事に合わせやすそうです。

この「session」は既成概念にこだわらず挑戦していく新しいシリーズとのこと。今回は福島県の新しい酒造好適米・福乃香を使った試験醸造のようで、かなり少量生産みたいです。このお米、雑味が無く香りが高いけど扱いが難しく、高度な技術力が求められるんだとか。そこはやっぱり楽器正宗、難しさを感じさせない美味しさでした。

ジブリで例えると「おもひでぽろぽろ」のトシオ。声優の柳葉敏郎さんのイメージが強く、爽やかな苦味があります。有機農業のような新しいことに意欲的に取り組んでるのも似ていますね。トシオは前にも羽根屋で登場しました。

満足度:★★★★

楽器正宗

 

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[ジブリ酒]荷札酒 > タタラ場の女衆(もののけ姫)

【加茂錦 荷札酒 秋あがり 純米大吟醸 無濾過生原酒】

加茂錦

口に含むと、メロンやマスカットの甘味酸味と心地よいアルコール感が印象的。それが最後まで続きながら、苦味が広がっていきます。上立香に青草とミントとアルコールが吹き抜けて良い感じ。無濾過生原酒の華やかさと力強さがあります。秋あがりというけど、落ち着いているという感じはなくて、エネルギッシュです。

ジブリで例えると「もののけ姫」のタタラ場の女衆。今までトキさんとか胸元を隠す人とか登場しましたが、今回は特定の誰かというわけではなくみんなです。つらい世の中でもいきいきと働くエネルギーを感じます。

満足度:★★★★

加茂錦

 

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[ジブリ酒]天賦 > ムスカ(天空の城ラピュタ)

【天賦 純米吟醸酒】(てんぶ)

旨さが暴れまわる!

天賦

口に含んだ瞬間は、ほんのり甘酸っぱい爽やかな感じ。でもそこからすぐに本性を現します。苦甘アルコールが暴走。濃い旨さが印象的! 一歩転ぶと雑味になりそうですが、良いところで留まっている感じ。美味しかったです。

そして衝撃の事実。こちらの天賦の蔵元、日本酒の製造は今年が初めてらしいです。マジで!? 1年目からこんなレベル高いの!?
こちらを醸しているのは、芋焼酎・宝山で有名な西酒造さん。焼酎の経験があるとは言え、凄いです。初年度から大人気と言えば、佐賀の光栄菊を思い出しますが、いろいろ難しい業界に新規参入するだけはあって、気合の入り方が違いますね。今後も楽しみです。

ジブリで例えると「天空の城ラピュタ」のムスカ。とても魅力的でインパクトの強い悪役。最初は「君は床に伏せていたまえ」とか「流行りの服は嫌いですか?」とか優しいこと言ってたのに、すぐ本性丸出しになります。とはいえムスカ、基本的にとても優秀なんですよね。性格はねじ曲がってますけど。もちろん悪役だからと言って不味いわけではありません。これほどネタになるのも、その人気の故ですからね。

満足度:★★★★

天賦

 

ちなみに、新規取得が難しいことで有名な日本酒の製造免許、どうやったのかと思って調べてみたら、国税庁のサイトに「酒類等製造免許の新規取得者名等一覧」があるのを見つけました。そのリストによると、西酒造さんの処理区分は「新規」ではなく「移転」となっています。光栄菊と同じように、どこかの休眠蔵の免許を譲り受けたのかもしれませんね。申請が去年9/20で認可が今年1/29になっています。西酒造公式サイトでの発売告知が8/4なので、その間にいろいろ試行錯誤して作りこんだんでしょう。それにしても1年目でこれはすごいです。

この国税庁のリスト、見ていたら他にもいろいろ楽しいことが書いてあります。
清酒の新規取得には、醸し人九平次を醸す萬乗醸造さんの黒田庄蔵がありますし、来福酒造さんのブランデーとか、酔鯨酒造さんのリキュールとか、八海醸造さんの発泡酒とか、気になるものがぽつぽつ出てきます。もっと詳しい人がみたら、もっと楽しいんだろうなあ。

 

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[ジブリ酒]東鶴 > カマドウマ(借りぐらしのアリエッティ)

【東鶴 生酛造り生 あおあお】

名前の通りナマ感あふれるフレッシュなお酒

東鶴

香りは青草、ハーブ、アルコール、それからわずかに飴の甘さ。
口に含むと、旨味を中心に、甘味と苦味がふんわり広がります。生酛らしい旨味とフレッシュさが同居していて面白かったです。

ジブリで例えると「借りぐらしのアリエッティ」の冒頭で出てきたカマドウマ。アリエッティにちょっかい出すバッタみたいな虫です。生き生きとしていて、草っぽくて、どことなく生酛っぽさがある。
ちなみにこいつだけ、他の描写と全然違うディズニーっぽいかわいい目をしています。ずっと違和感があったんですが、こないだやっとその理由が判明。米林監督、虫が大嫌いで描きたくなかったんだそうです。でも脚本の宮崎監督に「アリエッティは虫と遊ぶんだ」と言われて渋々従い、せめて虫っぽくないように描いたからだそう。米林監督かわいい。

満足度:★★★★

借りぐらしのアリエッティ©スタジオジブリ

東鶴

 

 

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