【真澄 銀撰】
心地良い やさしい極上 日常酒
こないだKEGを飲んだばかりの真澄さん。今度は打って変わってパック酒です。
真澄さんは、長野を代表する銘柄。協会7号酵母の発祥蔵としても有名ですね。創業は江戸初期の1662年。昔から美味しかったという逸話は伝わっているのですが、一躍脚光を浴びたのは1943年の全国清酒鑑評会。ここで一位に輝いたことで、一気に注目を集めます。そして7号酵母の発見が1946年。この酵母はすぐに全国で使われるようになり、それは今でも続いています。
と、お蔵さんの公式サイトにはさらっと書いてあるだけなんですが、1943年と1946年ですよ。戦時中と戦後すぐ。お米の統制もあったはずですし、書けないような苦労の中での受賞や酵母発見だったのだと思います。
今回のお酒は、お店のお客さんの長野旅行のお土産です。パック酒を選んだのは、お金をケチったからじゃなくて、お店のお姉さんの要望。こういう、地元でしか売ってないようなのを頼んだんだとか。めっちゃわかる! 真澄さんなんて普通に全国どこでも買えそうだけど、こういうパック酒は地元じゃないと流通してないんですよね。公式サイトの商品一覧にも乗ってません。公式ショップにはありますけどね。
それでは、飲んでいきましょう。
香りはおだやか米旨甘。奥のかすかな蜜甘が、ほんのわずかに色っぽい、とてもきれいなクラシック。
口当たり、さらりきれいに水のよう。さわやかするっと入ってきて、甘旨苦味がやさしくほわん。最後に旨苦ふくらみます。後味も、やさしくじんわり蜜苦旨。その苦旨が上品で、ほんわりじわじわ心地良い。
なにこれめちゃくちゃ美味しい。いつまでも飲めそう。
インパクトはないんだけど、ずっと美味しいんです。家に常備したいタイプ。冷酒でも良いし、常温になっても全く崩れません。
アテで合ったのは、田楽こんにゃく。やさしい味噌と出汁の浸みたこんにゃくがほんわり美味しくて、やさしくしっかりウマいお酒と引き立て合います。
でも、いろんなアテと幅広く合いそうです。家にこんなお酒がいつも会ったら最高だろうなあ。長野の人がうらやましい!!
ジブリで例えると「風立ちぬ」の黒川夫人。やさしくて、細やかな配慮のできる女性です。和服の似合う、つり目美人さん。そして、所作のひとつひとつが美しいんです。
黒川夫人は、ついこないだ、早瀬浦の本醸造で登場したばかりですが、確かにこのふたつのお酒は似ています。どっちもめちゃくちゃ美味しい。
好き度:★★★★★
#展開が熱くてむせび泣いた映画のシーン
— オクターヴ (@TreeTre93040406) 2023年7月11日
「風立ちぬ」
劇場で声が出ないようにして、むちゃくちゃ泣いたんだよね。こうきたら先がわかるってのもあったし、黒川と黒川夫人の口上が絶妙に場を明るくさせて、一世一代の仲人役をやってのけたって感じがしたのよ。 pic.twitter.com/PDuYcDlEGC
【DATA】
蔵元:宮坂醸造株式会社(長野県諏訪市)
造り:普通酒
原料米:一般米
精米歩合:70%
アルコール度数:14% ・・・ 低め
製造年月:2023年12月
関連記事: